この時期、自律神経の乱れ(イライラ・不安感・倦怠感)を感じる方へ
冷え性は、体内の『陽気』が不足している状態。陽気とは温かさや活力のことです。
冷え性が治りにくい理由として、東洋医学的には脾臓や胃が弱っていると考えられます。
脾胃は消化吸収を司る臓器であり、体内のエネルギーを生成します。脾胃の弱りは消化力の低下や栄養吸収の不良を引き起こし、体温の低下や冷え性をもたらします。
血液循環の滞りも冷え性の一因。
血液は身体を温める熱源であり、滞りがあると体温が下がりやすくなります。また気候や環境など、外的要因が体内に侵入して悪影響をもたらすことも原因。東洋医学的には『外邪』と表現されるのですが、冷たい空気や湿気は冷え性を悪化させます。
万年冷え性はこれらの要素により、引き起こされるのです。
それを解消するために、東洋医学では身体の陽気を補う食材や適切な運動、温熱療法などを用いて体内のバランスを整えることが重要とされます。
では陽気を補う食材には、どのようなものがあるのでしょうか。
代表的なものとしては、生姜。生姜の辛味成分である「ジンゲロール」には、血行を促進して身体を温める働きがあります。
カルダモンやターメリックなど一部のスパイスにもジンゲロールが含まれていますが、含有量は生姜が一番多いとされています。生姜を料理に加えたり生姜湯を飲めば、身体が温まるでしょう。
シナモンにも身体を温める効果があります。
シナモンに含まれる「シナモンアルデヒド」という成分が体内の熱を均等に分布させ、体温を上昇させるのです。抗酸化作用や抗炎症作用もあり、体内の代謝を活性化させることで身体を温める効果もあります。
ニンニクに含まれる「アリシン」という成分も、身体を温めます。
生姜の主要な活性成分であるジンゲロールが特徴的な辛味と香りをもたらす物質であるように、香辛料には冷え性を改善する効果があるようです。
そのため、たくさんのスパイスが使われているカレーには、身体を温める効果が期待できます。特に辛口のカレーは体温を上げる効果が高いため、寒い地域ではよく食べられています。
スパイス入りの紅茶として知られるチャイもオススメ。シナモンや生姜、クローブなどのスパイスが使われており、身体を温めてくれます。
ミルクを加えて飲むことで、リラックス効果も期待できます。
これらの料理はスパイスの効果によって体温を上昇させるだけでなく、味わいも豊かで食欲を刺激します。
適度な量を楽しみながら、冷え性を改善しましょう。