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食べる

坂部智子

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テーマ:母の介護

口を開けて、噛んで、飲み込む。
自分で食事ができなくなっても、介助で口まで運ぶことはできる。
噛むことがむつかしくなってきたら、それぞれの症状に応じて食材や固さ、形状などである程度工夫することはできる。
でも、口を開ける(食べるという意思)
噛む(多少であれ「もぐもぐ」する)
飲み込む(食道への「ごっくん」)
の一連の動作だけは、本人がやらないことには、どうにもできない。
(鼻腔栄養や胃ろうなどでの栄養摂取の話は別として)

母の介護で、今の最優先は、
母がしゃっきり起きているタイミングに、この一連の動作がいかにスムーズに行えるようにするか・・・だ。
昨日書いたように、母がわかる好きなモノのにおいで、食べる意思が目覚めると、口が少し開く。最初の一口が大事。
ここで「食べてみよか?」が「食べたい」に切り替わると、びっくりするぐらい積極的に、もぐもぐごっくんをし、こちらが次のひとさじを口元にもっていくのが間に合わず、
じろりとにらまれることになる。
でも、「食べたい」までにはならない時は、一連の動作におそろしく時間がかかる。
しゃっきり度はどんどん低くなってくるが、せめてなんとかこの間で食べてもらおと必死になってしまう。
特に気温が上がってくると、熱中症が心配で、せめて水分(とろみつき)だけでもと焦る。
週末しか家で過ごさないので、家に居る時にはできるだけのことをと欲張ってしまうのだ。

お泊り中の記録をみれば、ほとんど食べない時が少し続いても、その次には「完食」が続き、また2日ほど食べなかったり・・・もある。
ウトウト寝ている時間が増えているのだから、相対的な活動量が減っており、トータルの食事量が減るのは自然なことなのだ。

母の食べる意思、すなわち本能的な生きる力は、健全だということ。
いや、どんどん研ぎ澄まされている。

「認知症」になって、「わからなくなる」「できなくなる」ことはたくさんある。
その部分が取り上げられている情報は多く、不安を募らせる。
でも大事なものはずっと残るのだ。
母にそう教えられている。

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