車いすで
今日は母の誕生日。
昼間、いつもの診療所に寄って3週間ごとの薬をもらい、
母が平日過ごしている小規模多機能施設に届けに行った。
母は、ちょうどお昼ごはんが終わったところで、
車いすに座ったまま、なんだか気持ちよさそうに
むにゅむにゅつぶやきながら半分寝ていた。
日当たりのいいお部屋。
うちと違って、なんてあたたかいこと。
母の手もあったかかった。
その手をゆっくりさすりながら、
外は寒いねンとか、風が冷たいねンとか
お医者さんが「口を出来るだけ動かすように」言うとったとか、
イロイロ話しかけていたら、スタッフの人が、
「いっつもそんな風に話しかけてるんですか?」とききはった。
「はぁ、まあ、もっとうるさく話してます・・・」
「やっぱり嬉しそうにしてはりますねぇ」とおっしゃった。
「そうですか?愛想ないですよ」「たまになんかツッコミ返してくるけど・・・」
「楽しそうでいいですね~」と言ってもらった。
一緒に過ごす時間が少なくなっているので、
一緒に居られる間はできるだけ楽しく過ごせたらと思う。
母に認知症の兆しが出てからほぼ10年。
いろんな嵐や涙や後悔を通り過ぎてきた。
(もちろん現在も更新中)
分け合っていた父がいなくなって、まもなく2年になる。
居ないコトには、まだ慣れないけれど、
それでもお仏壇の前で笑えるようになった。
母のコトや自分がやらかしたいろいろを報告する。
花が枯れっぱなしだったり、埃が積もっていたり、
ゴメンと言いつつ、ずいぶん手抜きも目立ってきた。
哀しみの時間は流れて、おだやかな日常が少しずつ積み重なっている。
母が、そこそこ元気に81歳の誕生日を迎えられて、
本当によかった。
イイ歳でありますように。