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坂部智子

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テーマ:エピソード集

本日訪問のAさん(92歳女性、要支援2、独居)
背中が曲がり、歩行が少し危なっかしくなっているので、
室内出入口などに手すりをレンタル中。

毎週末訪ねて来てくれる息子さんと一緒に、近所へ手押し車で一週間分の買い物に出かけ、
あれこれ献立を考えては自炊しておられる。
「豚じゃが、ブリ大根が、もうできて冷蔵庫にはいったある」
「小松菜はおひたしにでもしよかな・・・」
「サバもこうたあるけど、気分とちやう」・・・らしいので、今日の出番はないようだ。
料理するのが好きで、手先のことをいろいろするのも好き。
編み物や折り紙、キューピーさんのお洋服などなど、作品がたくさん飾ってある。
次々と新しいことを始めたいのだそう。

「今はこれ」と見せて下さったのは、実用ペン習字の通信講座!
毎月課題を提出して、赤ペンで添削されて戻ってくる・・・というアレ。
Aさんが壁にはってあるメモ書きは、ちょっとくせがあるけれど、流れるようなきれいな字。
それでも、時々、「あわてて書いたんみたら、自分でもわからへん」ことがあり、
この際、改めて楷書をきっちりやってみようと思ったそうだ。
新聞広告で申し込んで、この2月から始めたらしい。

練習帳はきっちり埋め尽くされ、別に広告の裏が白い紙を切って、
せっせと課題を練習しているとのこと。
「やっぱり、センセの字はきれぇな」
「ほんでも、自分の名前はちょっとマシにかけるようになってきてん」
と、3重丸ついて返って来たのを見せて下さった。
「こどもみたいやで、はずかしな~」と照れながら。
12回コースなので、「今年はずっとペン習字や~」「いそがしぃで~」と笑ってはる。

欽ちゃんの、73歳の大学生もすごいけれど
Aさんの、この飄々としたチャレンジぶりは、なんともかっこいい。

自分の自堕落??な生活を反省するばかり・・・

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