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百日たって

坂部智子

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テーマ:日々ねた

父の「百か日」の法要を終えた。
四十九日までのあの張りつめたような気持ちとは違う。
「もう」というか、「まだ」というか・・・
やっぱり現実感はあまりないままに。
死後4か月以内にしないといけない手続き(確定申告?)があるらしいので、
にわかに、今月また忙しくなっている。

淡々と日々を過ごす中で、
あの家での一人の暮らしには、なんとなく慣れてきている。
それでも、まだ必要以上に電気を点けてしまっているし(暗いの苦手・・・)、
独り言は、確実に増えた。

淡々とした日々が、けっこう忙しいので、
物思いにふけったり、しんみりしたりすることは、無いというか、
極力そうしないようにしてきたので、
なんとかやり過ごせているという感じ。

なのに、突然、映像が浮かぶ。
キョウレツに脳裏に刻まれているのは、
やっぱりまだ、思い出すのが辛くて哀しいほうの記憶。
いきなり、不意打ちで来るのだ。
フツーに洗濯物をたたんでいたり、新聞を読んでてふと目を上げたり、
なんてことない日常の中に、いきなり切り込んでくるというか。
しばらく、固まってしまう。
胸や、時には頭が痛くなって、息苦しくなる。
これは、精神的にやばいんじゃないか・・・などと、思う時がある。
しかし、二人暮らしで、お母さんを失くした友人が、
3回忌を済ませても、まだそんな時はある・・・というので、
そんなもんなんやろうと、思うことにしている。
もちろん、人それぞれなんやろうけど。

「親を亡くして、きちんと見送って、心底ほっとした、
これで、やっと子としての役目を果たしたと思えた・・・」
というようなことが書かれている本を読んだことがあるけれど、
今は、その作者が、なんて大人なんやろうと改めて思う。

逆に、「親が死ぬのが怖い、キョウフですらある・・・」と書かれていた本は、
「そんなことまでは思わへんわ・・・」と、冷めて読んだけれど、
今の自分をみると、どれだけ、親という存在に対して、
よりかかっていたのかと・・・あきれつつも、認めざるをえない。

わかっていなかったのだ。
なんにも。

一人で生きているのではない。
大切な人がいる限り、またその人を失う時のことを思うと、
わかってしまったから、今度は、さらにその時が怖い。
・・・なんて、今考えても仕方ないこと。

そういうコトを全部抱えて、
だからこその喜びや楽しみに、
きちんと感謝して生きるのが
大人になるということなんかな・・・
まだまだ、そこまでの境地には行きつけないけれど。

もうすぐ私の誕生日。
去年までは知らなかったコトをたくさん知った。
それだけはまちがいない。

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