コラム
好きなモノを食べて
2014年7月9日
先日訪問したAさん(93歳、女性、要介護4、娘さんと同居)
この冬は体調を崩して、しばらく入院されていた。
これまでも、何度か入退院を繰り返していたが、
今回は、ほとんど食べられなくなり、
娘さんも、「もうアカンか・・・」と思ったという。
せめて最後?に少しでも・・・と、大好きなモンブランのケーキを買ってきたらしい。
クリームを少し、口元に付けた・・・ら、
舌先でちょっとなめた・・・とたんに、Aさん、
ぱっちりと目をあけて、「オイシイ」と言ったそう。
あれあれ・・・と驚く間に、クリームのところは、ほぼ全部食べたとか。
それから、食欲が出てきて、みるみる回復し、
無事に家に帰ってこられた・・・というお話でした。
ホントによかった。
何かの番組で見たのでは、ヒトの感覚というのは、
触覚、臭覚、視覚、聴覚、味覚の順に強いらしいけれど、
Aさんは、大好きなモンブランの味で、見事に復活されたのでした。
人によっても、状況によっても、違うのだろう。
母の場合は、う~ん、
今一番強いのは、やっぱり味覚かな。
味覚と聴覚。
好きな味のモノが口に入ってきた時の「おっっ!!」という声は、格別。
そして、母にとっての心地よい声や音楽があると、ごきげん。
「父に似た声」や、父がよびかけていた「おかぁさん」という言い方には、
びっくりするぐらい、反応する。
その姿は、セツナイ。
だれにとっても、その人にとっての“特別”があって、
それを、周りのダレカがわかっているということは、
とても大切で、幸せなコトだと思った。
関連するコラム
- 沁みついて 2014-04-22
- 人を傷つけるのは 2013-02-14
- あれこれあって・・・ 2014-02-18
- 兄妹 2014-04-09
- いよいよ夏野菜 2014-05-08
コラムのテーマ一覧
カテゴリから記事を探す
坂部智子プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。