兄妹
昨晩、友人のお父さんのお通夜に行ってきた。
前から持病はあったけれど、急変してとのことだった。
友人の哀しみが辛かった。
そして、自分も、まだ父の葬儀の記憶などが生々しくて、
いろいろ思い出してしまって、哀しくてツラカッタ・・・
かなりもう、しゃっきりしているつもりだったのにな。
とぼとぼ歩いて、あの家に一人で帰って夜を過ごすのは、とても気が重かった。
玄関に、“畑部員”のみぃちゃんが届けてくれた「収穫物」が置いてあった。
ナスにピーマンに、キュウリはなんと14本。
湿気た玄関で、キュウリの匂いが濃く漂っている。
すぐに台所に行って、ちょっと洗って、皮を少しだけ剥いて、かじった。
なじんだキュウリの味がした。
毎年、父の畑でできる、あの懐かしい味だった。
私らが作っても、父ほど手をかけることを全くしてなくても、
ちゃんと、キュウリはキュウリの味がした。
うれしくて、でもなんかさみしくて、かなしくて、
立ったまま、キュウリをかじりながら、ボロボロ一人で泣いた。
時間の流れの中で、少しずつ、あの尖ったような痛みは和らいではきても、
それでも、胸の中に押し込めておいたカケラが、ふいに顔を出して、もてあます。
哀しみは、どうであっても、やっぱり、とても個人的なモノなのだ。
どうにかして、折り合いをつけていくしかないのだな・・・
キュウリ中毒みたいに、やめられなくなった。
もったいない、
ちゃんと料理して、味わおう。(・・・せめて、座って食べなさい!)
水やり、追肥、虫よけ、
ガンバロウ。
ありがと。