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一緒やったら

坂部智子

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テーマ:仕事のはなし

いつもながらの、いや、いつも以上の月末バタバタをようやく終えた。
昨日は、3日分ぐらいを1日でこなし、さすがにへとへと。
もしも毎日これだけ働いたら、月のノルマなんて、
1週間で達成できるのでは・・・などと、いらん皮算用をしそうになる。
こらこら、そんなことしてたらカラダがもちません。

半年ぶりに訪問したAさんご夫妻。(86歳女性 要介護3と87歳のご主人)
室内は伝い歩き。
朝の起き抜けは体がきかず、ご主人が手をひいてトイレに連れて行く。
手首に痛みがあり、ズボンの上げ下ろしは全部ご主人が介助。
「おんなじコトばっかり言うたり、わけわからんコトもよう言う」
「だいぶん認知症が進んできよんちゃうか・・・」
「手伝わなできへんくせに、えらそうに文句ばっかり言うからほっといたったら、
腹立てて、そんな時は、えらいちゃっちゃか歩くし、ズボンかって一人であげよる。」
ご主人が、半分笑いながら、多少溜っていたいろいろを吐きだしていたら、
Aさんが、ひょこひょこ部屋から出て、やってきた。

「大丈夫か」とすぐご主人が声をかける。
にかーっと、Aさんは笑って、「この人がおってくれるから、ホンマありがたい」
「よぉしてもろて・・・」と言う。
「人が来たら、そないて言うねん。
普段、どんだけぼろくそ言われとうか・・・」とご主人は苦笑い。

思っていないコトは、言わないですヨ。
母をみていてもそう思う。
愛想やおべっか・・・なんてのは、中途半端な社交術であって、
そういうところが、どんどんそぎ落とされていくのだ。

突然、Aさんが「オリンピックまで生きるねん」と力強くおっしゃった。
「一緒やったら大丈夫やで!」
ご主人の顔をしっかりみて、「カッカッカッ」と歯の無い口を大きく開けて
豪快に笑ってはりました。
ご主人の照れた笑顔。

いいなぁ。

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