車いすで
昨日、母が利用している小規模多機能施設から電話があった。
昼間、血圧が190まで上がり、多量の発汗・・・
大量の軟便が出て、その後、血圧は下がったが、熱が少し・・・だとか。
帰宅した母は、いつもより、ちょっと目がうつろ・・・なようにも思う・・・
手を引いて、部屋に入った。足取りは、まあいつもと同じ。
「お母さん、しんどい?」ときくと、「ふ~ん・・・」という。
「寒くない?」 「ふーん・・・」
「お腹痛い?」 「ふ~ん・・・」・・・
「お母さん、元気?」ときいても「ふ~ん・・・」
わかっていても、ついつい、言葉で確認してしまうなぁ。
おでこをくっつけてみる・・・ちょっと熱いかな。(体温計が壊れていたため)
椅子に座って、まずはお茶をゆっくり飲む。
なんか、無かったかな・・・
父用のドリンクをちょっとわけてもらって、
あっ、この前もらったハロウィンのおやつも開けてみよう。
母の好きなラングドシャ~ チョコクリーム入り。
一口サイズに割って、口に入れる。
「おいしっ」と言う。
ちょうど好きなEテレの時間。
家に居る時はずっと見ていた「花カッパ」から「乱太郎」まで、
しっかり画面を見ている。
私は横に座って、手を握っていた。
なんとなく、母の手の熱さがひいてきたみたい。
「ごはんするからね、座っとってくれる?」というと、「ごはん」と笑った。
父に横に座っててもらって、チャカチャカッと晩ごはんの用意をする。
せっかくたまに帰ってくるのに、なんだかいつもメニューは地味。
この日も、口当たりがいいやつ・・・ということで、
お豆腐のオクラあんかけと、焼きナス(まだ畑でとれてます)、しめさば・・・と
残り物イロイロ・・・
お箸は上手く使えない。
口当たりがいいのは、すべりやすい・・・ということ。
スプーンとお箸を使って、ゆっくり母の口に運ぶ。
焼きナスを食べて「おいしっ」と言う。
次の瞬間「痛っ」と言う。
近づきすぎた私が、母の足先を踏んだ・・・
自発的な「おいしっ」と、物理的な刺激による「痛っ」は、正確だと思われる。
時間をかけて、ごはんを食べ終えると、すぐにウトウトしかけた。
寝るのが一番かな。
すっかり冬支度をしたベッドへ行って、横になったらあっという間に眠った。
夜中、何度も気になって、おでこに手を当てたりしたけれど、
熱が上がることもなく、そのまま朝までぐっすり眠った。
やれやれ。
血圧が上がったり、大量の発汗は、この前TVで、心筋梗塞の云々・・・というのを
見たりしたので、いろいろ頭の中で心配の種が大きくなっていたのだけれど
まあ、無事でよかった。
何があるかわからん・・・といつも思ってはいる。
何があっても、仕方ないとも思っている。
それでも、やっぱり、母の顔を見ると、
ほわっと笑う、その笑顔を
まだまだ見ていたいと思うのだ。