車いすで
最近よく母が、「あほ・・・」と口にする。
先日、「あほあほばっかり言われて・・・」と、ドキッとするようなことを言った。
「あほ」という言葉を たびたび耳にしているのか、
もしかしたら、母自身が言われているのかは わからない。
けれど、とても悲しい気持ちになったし、
そう口にした時の母の表情も 何ともいえないものだった・・・
とにかく笑って見せて、
「“あほでんねん~”って、笑ったり~」と言ってみた。
でも、よく考えると、
やっぱり、「あほ」という言葉は、使うべきではない。
お笑いなどでは、それこそ垂れ流しのように使われているし、
笑いを誘う、ほほえましい「あほ」も、もちろんあるけど。
母の周りには、その言葉はもう流したくない・・・と思った。
耳に入ると、記憶と結びつくのか、
ちゃんと意味もわかってか、
なんとも嫌な、哀しい言葉として、母にからみつく。
母がきいて、うれしい言葉を口にしたいと思う。
愉しくなるような、
笑顔になるような。
言葉には、言霊がある。
ホントにあるのだと思うから。
私もちゃんと心に留めて、いつでもどこでも
大切に言葉を発したいと思った。