兄妹
寒風に吹かれまくり、事務所に戻ってきた。
お昼ご飯、何にしよ・・・と考えるまでもなく、欲しいのは、とにかくあったかいモノ!
残念ながら、水曜日はこの近辺の商店街がお休みなので、選択肢は激減。
しかも、思い出した。
出かけに父が「持っていき~」と、ふかし芋をくれたので、中途半端に食糧がある。
・・・ならばと、スーパーの売り場に直行して、カップ麺を購入。
栄養に偏りがあろうが、スープまで飲み干したら高カロリーであろうが、
あったかい・・・というだけで、なんと満足な。
極度の猫舌のくせにがんばって、アツイアツイとずるずるすすりながら、
思い出したのが、Aさんのこと・・・
もう7年ぐらい前のお客さん。当時で60代前半男性、一人暮らし、重度の片麻痺あり・・・
食卓の上も棚も、あらゆる場所に、カップ麺のストックが山積み。
同行したケアマネがいつも、ちゃんとした食事をとることをすすめていた。
家事援助も入っているが、Aさんが望む食事時間に来てもらえるのではないようで、
「冷めたモン食うより、ぬくいんがええんや」と言っていた。
そのうちに、ようやく宅配弁当を受け入れてくれた・・・・とケアマネが喜んでいたが、
1か月ほどで止めてしまったらしい。
届く時間がまちまちで、中には、昼ごはんが10時に、晩ごはんが3時に届いたそう。
「保温ナントカに入れてお届け~で、アツアツ~」とか謳われていたそうだけれど
「そんなことあるかいっ!!」
「冷めたメシはイヤ」と、ますますカップ麺のストックが増えていった。
その後、脳こうそくを再発し、入院して・・・長引いて・・・その後は不明。
一人でも、あったかいモノを食べると、ほっとするというか、ココロがゆるむというか、
お腹の底にまでエネルギーが行きわたる気になるというか・・・
特に、こんな寒い日には。
忘れられない
Aさんのこと