外でスッキリ
母が、最近よく、「おかあさん」と言う。
100%ではないけれど、その「おかあさん」というのが、
私に向けられていることが多い。
母は自分の母を、「おかあちゃん」と呼んでいたので、
この今頻繁に呼ぶ「お母さん」は、おそらく祖母ではないと思われる。
「おか~さん」、「おかぁさ~~ん」「おかあさんっ」と、バリエーションも豊富。
で、なぜだか、ちゃんと顔を見て、言う。
そういう時の母の顔は、なんとも無邪気で、安心しきっていて、
呼ばれた私も 思わず「な~に」などと笑顔で返してしまうほど。
(お母さん気分で・・・)
さらに、「私はね~、やっぱりね~、お母さんがね~ 大好き」
などと言う。
人の名前も性別も、いろんなことが、もうわからなくなっているけれど
父に向かって、「おかあさん」ということだけは、今のところない。
なので、母にとっては、どうやら私が、「おかあさん」であるよう。
「おか~さん」と呼んで、にこにこしているかと思うと、
急に真顔で、「あんた誰?」と、無情な一言が投げられることもあるけど・・・
そんな時は、「“ともこちゃん”やん」と笑って答える。
「は~??」と全く関心のない時と、
「そうか~ ともこちゃんやん」と、にこにこする時と、
「ともこちゃん??? 知らんっ」と、言う時と・・・
いろいろある。
何が返ってきても、もう、私の感情が揺れることはない。
そこは、そこだけは、ホントにすっかり通り過ぎてしまえたコトで、
通り過ぎてしまうと、ホントに全く取るに足らないコトだと、思えるから不思議。
わからなくてもいい。
母にとって、私が誰であってもいい。
目の前で、笑ってくれていたら、
それでいいと 思えることが、幸せ。