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生きていたあかし

坂部智子

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テーマ:日々ねた

日曜日、父方の祖母の33回忌法要があった。
「33回忌まで法要できるというのは、なかなかすごいこと・・・」と
御住職がおっしゃった。
その人を知る人間が、死後33年たってもまだ居るということ。
よほど早く亡くなったか、下の世代が長生きか、
上手く世代交代して引き継がれていくか・・・らしい。

実際、祖母にとっての“子”世代は、どんどん減り
昨日の法要に元気に出席できたのは、父のみ。
“孫”世代が中心で、孫の子とその子・・・祖母からすると玄孫?まで。

世代交代して引き継がれて・・・のパターン。
玄孫も含めて、今ここにいる人たちがみな、
おばあちゃんにつながっている・・・というのがなんだか不思議だった。
たしかに、祖母が居たから、今私たちがいる。
血のつながりのすごさというか、まさに、祖母の生きていたあかし。

祖母が亡くなったのは、私が中学3年生の時。
たしか90歳ぐらいだったはず。
私の記憶にある限り、背中の曲がった、小さいちいさい、もう相当のオバアサンで
あまり元気な時の姿というのは覚えていない。
年上のいとこたちは、いろいろ覚えていて、話をしてくれた。
血のつながり以外にも、こうして、記憶に残るという“あかし”もある。

人は生まれて、いつか死ぬ。
何かを残したいとか、そんなこと考えたこともないけれど
血のつながりを残すということは、もうないけれど
どんな形でも、人が人とつながると、相手が生きている限り
その人の記憶には 居る。
生き続けるんやな・・・と思った。

それだけで 十分。

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