一緒やったら
本日訪問のAさん(82歳 男性 要介護2)
マスクをしてベッドに横になってはった。
最近は、食事とトイレ以外は横になっている時間が長いとおっしゃる。
室内移動は固定式の歩行器(持ち上げて移動するタイプ)。
近所への通院は、外用の歩行器で奥様の介助(玄関から道までの歩行器の出し入れと、
上り坂になる帰り道は迎えに来てもらって)を受けて行っている。
「おかーちゃんおらんと、どこも行かれへん・・・」と、ため息をついた・・・
最近、奥様の具合が悪く、今朝も早くから病院へ行ったので、ここで寝ているしかないとのこと。
Aさんの面影がある軍服姿の写真が飾ってあった。
「Aさんですか?」とたずねると「わしや」と笑いはった。
15で“よかれん”行って、無線士(?)して・・・と話してくださった。
「命は助かったけど、肺悪して・・・、
ハワイにおった親戚がヤミで“マイシン”送ってくれて・・・
なんとか生きながらえた・・・」
「軍隊で鍛えたから、体は丈夫。
この歳で、杖で何回もこけて頭も打っとうけど、(だから歩行器を借りたそう)
骨も折らんし、どないもない。
けど、やっぱり、昔やった“肺”がアカンのか、呼吸器系が弱いらしい・・・
体の部分部分は、どないもないのに、ちゃんとあやつって動かすことが、もうえエライ・・・」
ボソっボソっと話してくださるお話から
“もてあましている”ような、そのもどかしさが、とても伝わってきた。
福祉用具を使ったからといって、画期的に改善されることは 実際、もうそんなにない。
これから、さらにご夫婦が歳老いていく中で、
いろいろ起こってくる中で、
今日のAさんの、このもどかしさが ますますつのっていくのか・・・・・
「また来ますね」と言って、別れた。
次の訪問先に向かう足取りは、重いまま・・・