母のつぶやき

ごはんを食べながら、TVを見ながら、会話の合間　などに
前後のなんのつながりもないところで、最近母がポソっとつぶやいたことば。
（ここ一週間ぐらいにちらばっているが）

「お金がよ～さんあったら何でもできるなぁ」

「今は　いそうろうみたいやから」

「あんたは自分の仕事をフツーにしとき」

なんのつながりもないところで　ぽそっと出てきただけに、
みょうに　いつまでも心に引っかかっている。

いつもの尻切れとんぼの「るらるる～」でなく、
口調までもが、昔から聞き慣れたあの感じ。

思わずこっちも、無意識にではあるが
瞬間母の子供に戻って、（表現変ですが、いつもは私が「母のおか～さん」なので）
まじめに、しゃべる。

次の瞬間は、また全くちがうところに飛んでいってはるが・・・

あっちいったり、こっち来たり、
ぐるぐるまわったりもしながら、
母と過ごす時間の中で、なんというか、いろんな自分に出会う。


いつも母と私が一緒に童謡を歌っているのを聞いているだけの父が
昨晩、歌詞がわからへんから・・・と言ったので
懐かしの「よいこのどうよう」の本をひっぱり出してきて父に見せた。
突然父が、本を見ながら
「か～ら～す～♪・・・」と大声で歌いだした。
ページを繰りながら、載っている歌を次々と。

父の顔を振り返って見た母が、「誰かとおもった」と、素声でぽそっ。

面白がって、私も歌う。
母も歌う。
なんだかけったいな3重奏？混声3部合唱？が始まった。

父もずいぶんはじけだして　いろんな“殻”を脱ぎだした。
おそらく、私以上に父もいろんな自分に出会っている。

日頃の母の言動が、
そしてまた、素でぽそっとつぶやくつっこみが、
うちの家族を　いろいろ揺さぶって、
自分もまだ知らない　いろんな姿をひっぱり出してくれる。

楽しみなような、
こわくもあり～の・・・