沁みついて
父が80の手習い(正確にはまだ79歳ですが)で始めた料理も最近はかなり手慣れてきており、
私が帰って、着替えたら「メシ」がすでにセッティングされているという
甘やかされた、昔のオヤジのような環境を整えてもらっている。
昨夜のメニューがこれ。
「肉豆腐」「ホウレン草の白和え」
“大鉢ど~んと盛り”も、料理本のまねっこで、それっぽい。
私は あまり手を出さないような、面倒くさいメニューを
好んで選んで、じっくり時間をかけて取り組んでハリマス。
昨日は、母がデイサービスに行っていたので、
母のうろうろを気にせずに出来たと ごきげんです。
母と、おいしいね~と食べた。
ふと見ると、ニンジンが変な形。
そっちもこっちも・・・全部。
父は、にんまり笑って「“ハート”にしてみた」という。
「・・・・・あっ・・そ・・・」笑ってしまった。
なんとまあコマメに、一枚ずつ切り落として、この形をつくったんや~
ほほえましいというか、なんかもう びっくり。
とりあえず 母に、
「これ、何に見える~?」ときいてみた。
「・・・・にんじん」
そうです。そのとおり。
「みてみて、ここがほら、ハートやってサ~」
はぁ???みたいな顔をして、それでもパクパク食べている。
母の何より楽しみの、一日中言い続けている「ごはん」の時間を
父が少しでもと、手をかけて、心をかけてくれている。
“しげジイ食堂”や~と 横から私は茶化す。
(父の名前は茂樹なので)
こんな日々を重ねられること、
大切にしなければ。