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イイミミ

坂部智子

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テーマ:日々ねた

子供のころから、神戸新聞夕刊のお気に入りコーナーが
“イイミミ”だった。

うれしかったことや、腹立つことや、なんでやねんというような、
日々のあれこれを、ちょっと聞いて~と言う感じで読者が電話をして、
ほぼそのしゃべり言葉のまま掲載されるというコーナー。

後日に他の読者から、「この前の~やけど・・・」と話が続いたり、
いい知恵がいろいろ寄せられたり、
まさにツイッターに近いものが、紙面で展開されて40年になるそう。

我が家も、母が過去に何度か電話をしていて
たしか3回ほど掲載された。

母曰く、実際に話した言葉より、関西弁が顕著になっていたらしかった。
「ほんとに、困りました・・・」と言ったのが、
「ほんまに かなわんわ~・・」になっていた とか。

実際に電話する機会はそんなになくても
何かあれば、家族の会話に「イイミミせなっ」というのが登場する。

私が思うところの、神戸っ子度数をはかるものさしの一つに、
この「イイミミせなっ」が、モロゾフのプリンカップと並んで(?)上位に来る気がする。

他には、「コープさん」・・・であったり、
“北”を“上”と言う・・・であったり、
かなり地域が狭く限定される話にはなるけれど。
(いや、私の勝手な見解です・・・)

イイミミの電話番号は、5533。
我が家の前の電話番号は、3353だった。
“ミミコサン”と覚えていた。
“イイミミ”の友達みたいやな~といつも思っていた。

母が電話をしたのは、私の入院中は かなりの頻度に上がったよう。

電話に出てくれた係の人に、ただ聞いてもらうということが
おそらく すごく支えになったのだと思う。

紙面に載る何倍も何倍もの たくさんの心の交流が、40年続いている。

文字が伝えることより、
やっぱり、生の声でやりとりすることが 伝えることは 大きいんだと思う。
もちろん、会って顔を見て話して、聴けたら もっと伝わる。


このコラムの文字が、
せめてなにか つながるきっかけにでもなれば。
いつか、会って、いろんなやりとりができる日が
たくさんもてたら、
うれしい。 

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