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落とし紙

坂部智子

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テーマ:母の介護

昨年末から、母のおなかの調子に振り回されているが、
ようやく、ある程度パターンになってきた。
週の前半=軟便 → 後半=便秘 の繰り返し。

後の始末で、お尻を拭くのが最難儀だったけれど
ここ最近は、「ごめんね~拭かせてね~」と言うと
「あぁ~よかった」、「ありがとうね」と言う(初めて聞いたときは、おののいた)。

拭くときの、私の位置、目線の高さ、体を支える手の添え方、拭き方など
少しずつ 居心地のいいポイントがわかってきた。
何より、ひととおり始末し終えるまでの時間が、ずいぶん短縮された。
拭かれる方にしたら それが一番なんかな。

その時間短縮に 大いに貢献してくれているのが、
表題の“落とし紙”。

今では、かなり聞き慣れない言葉になっているか・・・
私が小さい頃は、トイレットペーパーではなく、
手を伸ばすと届く隅っコに、この“落とし紙”が
綺麗な箱か何かに入って、きっちり積み上げられていた。

最近でも、おなじみの吉野の古いお家の汲み取り式トイレでは、
落とし紙が、由緒正しい風情で、バリバリ働いている。

始末をした後、便器の下に落とすから 落とし紙というとか・・・・・

ティッシュペーパーに取って代わられた、“ちり紙”とは、
微妙に質感やたたずまいが、違っていた。

あくまで、トイレで使うのが“落とし紙”。

え~っと、そうそう、
この落とし紙が、とても役立っている。
汚れたお尻を何度も拭くので
その度に、トイレットペーパーを 思いっきりカラカラさせて紙を出すのは
けっこう時間がかかる。
市販の「~トイレに流せるタイプのお尻ふき~」などは、
肌に触れた時に 冷たくて、母は受け付けず。

(清拭用としては、専用のウォーマーがあるタイプもあります。
→ ピジョン「さっとさわやかからだふき」)
※いつでも温かいウェットティッシュが使える~「ホットル」というすぐれものが
ありましたが、(専用のタオルをポットのような本体に入れる。)
数年前に本体の製造が中止になり、今では「ホットルベビー」(コンパクトサイズ)になっています。
(タオルサイズが小さいため、大人用には何枚も必要で、不便になった)
赤ちゃんのためには使っても、介護用はそれほどニーズが無いのか、
不要ってことか・・・・と思ってしまう・・・

そうそう、なので落とし紙。
さっと複数枚が取れて、しかも水に溶けやすく、安心・・・ということで、
とても便利です。
見た目より丈夫。
お湯で浸しても けっこうもつ。

介護用品の仕事をしているのに、
現在、母に利用しているものは、昔からのものや、あるものでの工夫などが多い・・・

ホント いろいろ考えさせられマス。

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