徘徊対策の現状
モニタリングで訪問したAさん(80歳 ♀)
タバコ屋さんの現役バリバリ“看板娘さん”です。
何種類もあるタバコの名前と値段を覚えること。
(どれも片仮名で長い名前。似たようなのもたくさんある)
計算すること、棚卸をすること、帳簿をつけること などなど
全てがこれ以上にない“ボケ防止”だと 笑ってはった。
日々のお客さんとのやりとりが 何より張り合いになり、愉しいとのこと。
「そうそう、この前ちょっとすごいことがあってね~」と話して下さったのが・・・
店にいきなり5・6人の中学生が、口々に煙草の名前を言いいながら、
「売ってくれ~」「おらおらぁ~」という感じで入ってきたらしい。
煙草の棚辺りをガサガサうろつき、
Aさんは、椅子に座ったまま、あわあわ震えていたとのこと。
その時、突然頭に、
前にテレビで見ていた「ごくせん」の“ヤンクミ”ちゃんが浮かんで
みるみる力がみなぎってきて、気がついたら、
ガサガサうろついている中学生達にむかって、
「おまえらっ!!!」
「そこに並べ~!!!」と叫んでいたらしい。
その瞬間、ピタっと動きを止めて、
ささささっつと 横一列に並んだ・・・
「おまえは何や」
「はい、セブン○○~」
「次、おまえは何や」
「はい、○○~~」・・・・と一人ずつお金を受けとり、
最後に、
「金輪際、お前らには売らんからなっ!!」
「二度と来るな~~!!」と叫んだら、
全員が「はいっ~~~」と言って、ぴゅ~~と走って出て行ったとのこと。
Aさん、椅子に座ると、ガタガタ震えがきて
「ひゃ~なんであんなこと言うたんやろ~~」「怖かった~~」と
息も絶え絶えなぐらいで、なんとか警察に連絡したとのこと。
来たおまわりさんに、
めちゃめちゃ怒られたらしい。
「なんで売ったんや」と。
Aさんが、怪我も何もしていなくて、店も荒らされていないので
事件とはならない。
“未成年に売った”そのことが とんでもない“悪”として怒られたとのこと。
そら 法律上はそうやけど、
もちろん、そうだけど、
「はいっ」と一列に並んだあの中学生達は、
Aさんから 受け取ったものがあるんちゃうかと 私は思ってしまう。
Aさんが、叫ばなかったら、
売らずに抵抗して、怪我させられるか、持ち逃げされるか
中学生達は、年寄りをナメることを覚え、
すんなりと、傷害や犯罪行為に走ったかもしれない・・・
「まあ 今回は終わりよしで済んだので、よかったけど
くれぐれも、用心して、身を守って下さいね~」と言いながら、
笑っているAさんの顔を見ると、
なんだかとてもかっこよかった。