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目線

坂部智子

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テーマ:母の介護

介護あるいは看護、保育、教育の現場でも
相手の目の高さに合わせるということは
人間関係の上での重要なポイントであるといわれている。

最近わかったこと。
うちの母に限るかもしれないけれど
同じ高さよりさらにこちらが下の時、いろんなことがスムーズに進む。

トイレに入ると、まずこっちが床に膝まづいて
立ったままの母に「ハイっ ズボンおろして~ パンツおろして~」と下から声をかける。
そして、用を足し終えた母が立ってから、
「ごめんね~ ちょっとお尻拭くよ~」と声をかけて
「さささっ ささっ」と言って、前から素早く拭く(膝を着いたまま)。
母は、「いややね~」などと言いながらも じっと立っている。

「ハイっ できた~」「すっきりやな~」と言うと
「きれいになった」と自分で言っている。

もちろん日にもよるし、きげんが急変することも多々あるけれど、
こっちの“目線が下”というのは、母にとっては“心地よい”位置なのかもしれない。

多少の憎まれ口はたたかれても、
お尻を拭かせてもらえたら ホントに助かる。
衛生上でも何よりのこと。

ちょっと ほっとしている。

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