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後悔は

坂部智子

坂部智子

テーマ:母の介護

ケアマネをしている友達から 相談があった。
「知り合いの知り合い?(要は関係性がほとんどない相手)で、
親を一人で介護していて 傍目にはいっぱいいっぱいに見える・・らしい
 かなり 内にこもっているよう・・・
直接話が聴けたらいいけれど・・・無理ならせめて何か
役に立つような本でもあれば・・・知らせたいので・・・」とのことだった。

かなり悩んだ。
いろいろ考えた。

そして、伝えたのは、
介護体験的な話、特に看取った後に書かれた話は、今は読まない方がいい・・・ということ。

こういう仕事をしていて、まして、いろいろコラムなど書いてる者が
何を言ってるのか・・・という感じ。
だけど、今は本当にそう思っている。
(介護技術などノウハウ的な物の中には 何かヒントになることもあるので
サラッと読むのはよいと思う)

言いたいのは、人と比べたらあかんということ。
特に、看取った後、時間が経つほどに どんな人でも絶対に“後悔”が起こる。
介護の渦中に ほんとにイヤで もう勘弁してくれ~と思った気持ちよりも
もっとできたんじゃないか・・・もっとこうすればよかった・・・
という気持ちの方がより濃くなる。

そんな話を 渦中の人が読んだら、
自分とのギャップに ますます追いつめられる・・・と思われる。

本でなく、生の声で 体験としてのいいことも悪いことも聞くのなら
また違うと思われるけど・・・
言葉はよくないけど ある意味“美化”されたものは 役に立たない。

今、私が自分に言い聞かせているのは、「後悔はする」ということ。
介護のプロではあっても、
“後悔したくない介護”をすることなんか 私にはできない。

トイレで 母が下着の交換をさせてくれず、罵られ暴れられた時
ほんとに“クソババァ”と思う。
“お尻出したままでおったらいいやん、寒くなっても知らん 勝手にしろ~~”と思う。

そんな風に思う薄情な自分を、後悔する時がくると知っているけれど
その時、その感情を止めることはできない。

人間が出来ている人は、出来るんやろうな~ と思うし、
出来ない自分がもちろん情けないし落ち込む。

昨日のTV「冬のサクラ」の“たすくさん”を見て 泣いた。
そして、落ち込んだ。
(江口洋介さんの学校モノと どっちを見るか迷ったけど
 案内にあった“母親の介護をしている主人公~”が気になってこっちにした・・・あほや・・・)

仕事として、いろんな人と出会っている。
日々、貴重な生の介護の現場をたくさん見せていただいている。
たくさん学ばせて頂いている。
そして、冷静に判断、分析する目を磨く。

母の介護をする時に仕事モードの自分が バランスとして、
40%ぐらい入っていると ちょうどよいように思う。
なかなか難しいけど・・・

長くなった。
今の私。
“いつかいっぱい後悔することをすでに覚悟している”と言ったら開き直りのようで
全く可愛げもないけれど
“後悔”も受け入れて、日々格闘することがなんとか“救い”になっている。

100の悪夢に 一つの笑顔があった時
悪夢は悪夢としてそのままあるけど
笑顔は 笑顔として 100%で受け取る。
その時は一緒に笑う。
どんなに 直前まで 憤っていても 泣いていても
数少ない貴重な機会やから 味わって めいっぱい一緒に笑う。
自分を二重人格かと思うこともあるけど、その時は 笑える。
笑っている。

娘として そうして母のそばに 居る。

母がどう思っているかは わからない。
ドラマみたいに わかる時がくるとも思わない。

後悔と、自己満足の織り交ぜ。
それしか できない。
それでいい と思っている 図太くなった私。

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