コンサルタントは課題解決者になり得ない?

財田和典

財田和典

テーマ:コンサル指導の疑問点シリーズ

こんにちは。「専門家を使う専門家」のコラムの翻訳者、えりかです。

今回のコラムでは、“コンサルタントが本当に企業の課題を解決可能なのか”のお話です。
このコラムの大きなポイントは、“「真」の課題解決者を理解する”ということです。




それでは専門家を活用する専門家の話が始まります。
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コンサルタントはよく「課題を解決します。」と宣言します。しかし、本当にそうでしょうか。
実際には、コンサルタントは「課題解決の方法」を講義するだけであり、日々の実務に深く入り込むことは稀です。たとえ「伴走支援」と謳っていても、週に1度の打ち合わせで進捗を確認する程度にとどまることが多く、顧客企業の現場で手足を動かして課題解決に取り組むわけではありません。

課題解決は、机上のプランニングではなく、現場で手を動かし、汗をかくプロセスがあって初めて実現します。
「社内で解決できない課題をコンサルタントが引き受ける」―これは誤解です。真に必要なのは、その課題を実務として乗り越えた経験を持つ人材、すなわち 助っ人型の実務経験者 なのです。

●コンサルタントに依頼した場合のコスト構造

コンサルタント会社にテーマを依頼すれば、年間2,000万〜3,000万円の見積りが提示されることが一般的です。
さらに企業側では、プロジェクト参加メンバーの人件費や、関連部門の支援工数、派遣費用といった直接費用、加えて会議・資料作成・管理コストといった間接費用も発生します。これらを合算すれば、年間4,000万〜6,000万円規模の負担 となるケースも珍しくありません。

これは、以前造船所のオーナーが試算された実例に基づく数字ですが、コンサルティング導入費用がいかに高額であるかを物語っています。果たして、この金額に見合うだけの実効性があるでしょうか。

◎真の「課題解決者」とは誰か

私たちが提案しているのは、シニア技術者の嘱託雇用 というアプローチです。
長年、現場で実務に携わり、定年退職を迎えた方を、1年契約で迎え入れるのです。

このシニア人材は「課題を解決する当事者」として、毎日現場で手足を動かします。若手社員はその姿を間近に見ることで、実務の知識や技術を学び、自然と技術伝承も進みます。これは単なる知識の共有ではなく、暗黙知の継承 であり、現場にとって大きな財産となります。

しかも1年契約であれば固定費増のリスクを避けられ、成果が出なければ翌年の契約を更新しなければよいのです。成果が出れば継続雇用も可能であり、シニア側も「1年で成果を出す」という覚悟を持って臨みます。この真剣度は、どうしても外部者であるコンサルタントには期待しづらいものです。

◆コスト比較の現実

シニア人材を嘱託雇用する場合の年収は、おおよそ1,000万〜1,200万円です。
つまり、コンサルタント導入にかかる年間4,000万〜6,000万円の わずか17〜30% の費用で、しかも週1回の形式的な関与ではなく、毎日現場で課題解決に従事 してもらえるのです。

費用対効果を冷静に比較すれば、どちらが「真の課題解決」に直結するかは明らかでしょう。

▼まとめ

課題を「指導」するコンサルタントと、課題を「解決」する実務経験者
その違いは、現場の熱量と成果に如実に表れます。

「課題解決者」としてのシニア経験者を1年間の嘱託雇用で採用すること。
これこそが、コストを抑えつつ、確実に成果を出し、若手育成と技術伝承にもつながる最適な選択肢だと、私は確信しています。

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 このアドレスへのメール master.no1blender@gmail.com までお願いします。

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財田和典
専門家

財田和典(経営コンサルタント)

株式会社リンクウィル

企業の課題とそれを解決できる専門家をご紹介。経験に基づいたノウハウで、双方の特性を見出し〝ブレンド″することにより、両者が満足する「企業ニーズと人材のマスターブレンダー」として日々研鑽に務めています。

財田和典プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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