コンサルタントは背水の陣
こんにちは。「専門家を使う専門家」のコラムの翻訳者、えりかです。
今回のコラムでは、“コンサルタントの見極めにもつながる”お話です。
このコラムの大きなポイントは、“失敗経験を聞き出す”ということです。
さて、専門家を使う専門家の話が始まります。
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最近、キャリア採用の人材紹介をお手伝いしていますとよく聞かれますのは、求職者に面接したところ「すらすらと川の流れのように成功体験ばかり語る人がいる。かなりの高学歴でしかも今いる会社も優れたステータスなので採用したいが如何なものか？」と言うご質問を受けます。
その時に申し上げていますのは、成功体験は誰でもフィクションで作れます。失敗経験は本当にやったものでないと語れません。失敗経験はノンフイクションですからというお話をしています。
わかりやすい例えで言いますと、皆様が子供の頃に聞かされた「桃太郎の鬼退治」を思い出してください。昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいて・・・大きな桃が流れてきて・・・桃太郎が生まれて大きくなって・・・困っている人を助けるために鬼退治に行くことになり・・・キジや犬などを連れて鬼ヶ島に乗り込み・・・鬼退治をした。と言う成功体験の話です。さて、この話、実は誰でも創作できます。「あなたは鬼退治をしたのですか。どのようにしてやったのかを語ってください。」と言う質問をしますと、このような素晴らしい話をします。ところが、「じゃ、鬼退治で苦労したところや失敗したことを述べてください。」と言う質問をしますと実際に鬼退治をしたことのない人は化けの皮が剥がれてしまいます。
例えば、「赤鬼が強くて全員食べられそうになった。もう帰ろうかと思った。しかし、キジが良いアイディアを考えてくれた。『桃太郎さん、赤鬼に立ち向かっても相手が強すぎて勝てないですよ。でも赤鬼は青鬼の言う事は聞くみたいですよ。』と言う話を受けて、まずは青鬼に話をして、青鬼から赤鬼を説得してもらい、その後に赤鬼と対峙することにしました。すると赤鬼も我々をいきなり喰おうとわせず、何とかおさめることができました。」という話を語れる人が本当に鬼退治をやったことがある人です。
失敗しそうになったが仲間と相談して「ダメを克服するアイディア」を出し合いチームとして解決した。このような方はどんな会社でも欲しがる人材です。
本当に取り組んだことのある方は取り組んだ件数が多いので必ず失敗経験を持っています。逆に取り組んだことの無い人や取り組んだ件数が少ない方は失敗経験がないので語れません。失敗経験のある人は、「これをやったら失敗したのでやったらダメだ。」と言う赤信号を出せます。また、どうしてもそれをやらねばならない場合は、最小のリスクで取り組むようにガイドできます。
このように失敗経験は負の財産ではなく貴重なノウハウを含んだ財産です。
首題から離れて話が長くなりましたので戻りますと、あるコンサルタントで非常に話をうまく語る人がいました。彼の話では指導した会社全てでコンサルティングが成功した。と言うことです。実際にその会社をご紹介してくださいと言うと「信用できないならご紹介します。誰々役員に会ってください。」と実名がでてきました。その方を訪ねて行ってお聞きしたところ、「○○先生は、確かに経営は何かをうまく語られるので勉強になった。今でもうちの社員で『○○先生は私の師匠です。』と言うものがいる。しかし、実際に課題の解決の指導をやって頂いたところ、成果に繋がっていないことは紛れもない事実です。コンサルタントは何でも前向きに考えて取り組まれるのは良いが、企業側で実際にでた結果については、真摯に受け止めてほしいですね。」と言われました。このコンサルタントを活用して勉強にはなったが成果が出なかったと言うことですね。それは何故でしょうか？とご質問したところ、「一言で言えば○○先生は反省回路が無い。」「コンサルティングが非常に難しいので、全て成功するとは限らないでしょうが、ある企業でうまくいかなかった事実を失敗経験として受け止めて、次からの企業の指導に活かしていかれたら、もっと素晴らしいコンサルタントになられるでしょう。」と言う、コンサルタントにとっては非常に耳の痛いお話をされていました。
失敗経験を真摯に受け止めて、それを自分の財産として、次に指導する企業へのノウハウとして提供することはコンサルタントでなくても当然ではないかと思うのですが・・・。
現役のコンサルタントやこれからコンサルタントを志望される皆さんに是非、ご理解頂きたいと思います。
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