~経営コンサルタントと技神の比較~その3 お金の話
こんにちは。「専門家を使う専門家」のコラムの翻訳者、えりかです。
今回のコラムでは、“経営コンサルティング提案書のAIを使った作成方法”についてのお話です。
それでは下記、専門家を使う専門家のお話です。
経営コンサルタントにとっては大変な時代になりましたね。従来は、企業側が「自社でやります。」と言う言葉が経営コンサルタントの提案書の競合でしたが、今はAIが競合です。
今回は丸秘のノウハウ開示です。
まず、ChatGPTに下記の質問をします。
(質問)
企業に対してのコンサルティング提案書を作成してもらいたいが、ネット上に掲示された企業の有価証券報告書と決算短信、IR説明会資料は読み込めますか。
(ChatGPT回答)
申し訳ありませんが、私は現在ネット上のデータにアクセスする機能は持っていません。私は2021年までの情報までの学習データで動作しており、インターネットを通じてリアルタイムの情報にアクセスすることはできません。
ただし、企業の有価証券報告書、決算短信、IR説明会資料などは通常企業の公式ウェブサイトや金融情報提供サイトから入手できる場合があります。それらの情報を入手することで、コンサルティング提案書の作成に役立てることができるでしょう。
提案書を作成する際には、企業の財務情報や業績、市場動向などの情報を把握することが重要です。公開されている情報を利用して、企業の現状を分析し、提案内容を具体的に提示することが求められるでしょう。
なお、提案書を作成する際には著作権や情報の正確性にも注意しながら、適切に引用・参照することが重要です。また、コンサルティング提案書は相手企業に対して具体的なアプローチや提案を含むものであるため、機密情報を適切に取り扱うことも大切です。
更に追加の質問です。
(質問)
企業の有価証券報告書、決算短信、IR説明会資料などは通常企業の公式ウェブサイトや金融情報提供サイトから入手できるのですか。その企業の各種資料の掲載されているアドレスを指示すれば読み込めますか。
(ChatGPT回答)
私はインターネットへのアクセスが制限されているため、外部のウェブサイトにアクセスして情報を取得することはできません。また、具体的なウェブサイトのアドレスを指示しても、それによって情報を読み込むこともできません。
さて困りました。提案書を作成するための肝心のインプットでずっこけています。
ちょっと浮気して、Google Bardに同じ質問をしてみましょう。
(Bard回答)
はい、できます。私は、Google 検索を通じて現実世界の情報にアクセスして処理し、検索結果と一貫した応答を保つことができます。また、テキストを生成し、言語を翻訳し、さまざまな種類のクリエイティブ コンテンツを作成し、有益な方法で質問に答えることもできます。
企業の有価証券報告書と決算短信、IR説明会資料は、企業の財務状況、事業活動、戦略に関する貴重な情報を提供します。これらの資料を読み込むことで、企業の強みと弱み、将来の成長可能性を理解することができます。この情報は、コンサルティング提案書の作成に役立ちます。
コンサルティング提案書は、企業が抱えている問題を解決し、目標を達成するために、コンサルタントが提供するサービスやソリューションの概要を説明する文書です。コンサルティング提案書には、次の情報が含まれます。
企業の概要
企業が抱えている問題
コンサルタントが提供するサービスやソリューション
コンサルティングの費用
コンサルティングのスケジュール
コンサルティング提案書は、企業とコンサルタントが合意する重要な文書です。コンサルティング提案書を作成することで、企業はコンサルタントが提供するサービスの内容と費用を明確に理解することができます。また、コンサルタントは、企業が抱えている問題を解決し、目標を達成するために、最適なサービスを提供することができます。
コンサルティング提案書を作成することで、企業とコンサルタントは、より効果的なコミュニケーションを図り、より良い関係を築くことができます。
なるほど、Bardが頼りになりそうですね。
しかし、手間はかかりますが、有価証券報告書、決算短信、IR資料などは経営コンサルタントなら読んでおかないといけません。そこにあるどの部分を提案と絡ませるかは、アナログノウハウとして、経営コンサルタントさん、あなたの価値なのですよ!
続けましょう。
ここからはChatGPTに具体的な企業名やそこの有価証券報告書、決算資料のキモとなる部分を入力すれば提案書ができるのかとお思いになられるでしょうが、ちょっと待ってください。それはあなた以外の誰でもできること=一般的な提案書になり、金太郎あめで差別化になりません。また、そのまま勝手にコピペして使うと著作権の侵害になる可能性もありますのでお勧めできません。
じゃあ、どうしたらよいのか?
お客様企業とやり取りされた時の、あなたのメモ録を使いましょう。※お客様企業と交わされた議事録は機密事項になりますので、決して使わないでください。
あなたのメモ録をChatGPTに入力するときに、具体的な社名は入れない。固有の製品名は入れない。もちろん個人名は入れない。を厳守してください。つまり第3者が見て、「この会社のことか。」と特定できないようにくれぐれも注意して入力します。※ここでいう第3者とは、街中のおじさん、おばさんのような素人さんではなく、その企業の業界に詳しい人物のことです。いわゆる業界プロです。
さあ、あなたのメモ録を入力してみましょう。
(ChatGPTへの質問)
私は経営コンサルタントです。私が企業からヒアリングした下記のメモ録を参照して、その企業に対しての経営コンサルティングの提案書を作成してください。
メモ録:この会社は産業用機械メーカーです。現在、取り組もうとしている「購買改革プロジェクト」の実態把握をしました。下記はその時に経営コンサルタントである私が使った実態把握の項目とその診断結果です。これに基づいて、問題点を整理して、6ヶ月の指導期間でのコンサルティングの指導プログラムとその内容を提案してください。
1.購買改革プロジェクト
・具体的な進め方や手法が明確になっていない
・プロジェクトメンバー、担当部門間の連携・つながりが不明確。
・取引先や対象製品・部品に対して、何故、この数字をターゲット目標値とするのかのブレークダウンが不明確。
・改革テーマごとの推進体制が不明確。
2.購買方針・戦略・政策
・方針や戦略はきれいに描かれているが、実務での具体的行動レベルの施策にまでは落ちていない。「絵にかいた餅」になる可能性がある。
3.購買体制
・調達部門だけでなく、設計、製造、物流などの会社全体を統括する機能が弱い
・コスト査定、コスト管理機能の強化を要する。
4.取引先選定
・取引先数が毎年増えているが、その内容は小口取引先の増加であり、購買部門の業務負荷増になっている。反面、取引先の集約がなされていない。取引先の選定基準の見直しが必要である。
・海外調達は日系企業が主体であり、現地部品メーカーの開拓ができていない。
5.購入コスト基準
・コスト査定は、設計部門で行っているが、そのコスト基準は以前からのままであり、ブラッシュアップされていないので、現状の実態に合わない。
・調達部としてのコストを査定する機能がなく、購入コスト基準もないのでコスト査定は俗人的に運用されている。
6.購入価格決定
・価格の交渉・決定方法は、相見積りや過去の類似品との価格での比較であり、いったいいくらで作られているのかについてのコストを考えた査定ができていない。
・設計部門では新製品開発時にコスト査定を行っているが、その時点で調達先との価格としてほぼ決められてしまい、調達部門では価格交渉できない状態になっている。
7.原価管理
・標準原価の設定は、過去の実績値がベースであり、それが現在、妥当かどうかの判断ができていない。
8.コストダウン活動
・購入品、外注品、副資材全て、「一割負けてください。」というお願い商談である。
・コスト分析が不足している
・せっかく一部対象品にてVEを推進しているが、他品目への水平展開ができていない。
・サプライヤーからのVE提案は、調達部門が社内のノルマ達成をお願いしてやっと出てくる程度であり、積極的に提案されていない。
9.技談・商談
・お願い商談に頼り、サプライヤーを納得させられる科学的な商談技術が使われていない。
10.業務効率
・業務内容は、納期管理に追われており、いわゆる「守りの購買」である。開発購買や情報購買などの「攻めの購買」の部分がほとんどない。
11.購入先の適正化
・これまで実績のある取引先の依存度が高い。
・新規取引先の開拓ができていない。
12.購買人材
・設計部門から「片道切符」で調達部に送りだされた人員が多く、モチベーションが維持できていない。
・管理職の高齢化が進んでいて、購買技術の伝承ができていない。
・調達部にはコストの査定がこれまでなされていないので、コスト査定のできる人が少ない 。
13.コスト意識
・コストリダクションを必ず達成すると言うコスト意識が薄い。
・コスト明細を含めコスト構造の把握ができていないので、調達先に対して何の情報を取得すべきかについてわからない状態であるので、強いコスト交渉ができないでいる。
(ChatGPTの回答)
【提案書:購買改革プロジェクトのコンサルティング指導プログラム】
尊敬するお客様、
私たち経営コンサルティングチームは、貴社の購買改革プロジェクトに対して、以下の問題点を整理し、6ヶ月の指導期間で具体的な改善策を提案いたします。これらの改善策により、貴社の購買体制を強化し、効率的かつ持続的なコストリダクションを実現することを目指します。
【問題点整理】
購買改革プロジェクト
具体的な進め方や手法が明確でない。
プロジェクトメンバー、担当部門間の連携・つながりが不明確。
取引先や対象製品・部品に対して、ターゲット目標値の根拠が不明確。
改革テーマごとの推進体制が不明確。
購買方針・戦略・政策
方針や戦略は描かれているが、具体的行動レベルの施策が不足しており、「絵に描いた餅」の可能性がある。
購買体制
調達部門だけでなく、設計、製造、物流などの会社全体を統括する機能が弱い。
コスト査定、コスト管理機能の強化を要する。
取引先選定
取引先数が増えているが、小口取引先の増加による購買部門の負荷増加が懸念される。
取引先の集約がなされておらず、取引先の選定基準の見直しが必要。
購入コスト基準
コスト査定が設計部門で行われているが、現状の実態に合わないコスト基準が使用されている。
調達部においてコストを査定する機能がなく、購入コスト基準も不明確。
購入価格決定
価格の交渉・決定方法が不透明であり、コストを考慮した査定が不十分。
新製品開発時の価格決定が調達部門で行われており、価格交渉の余地がない。
原価管理
標準原価の設定が過去の実績値に基づいており、現状の妥当性が不明確。
コストダウン活動
商談において、積極的なコスト分析が行われていない。
VE推進の水平展開が不十分であり、サプライヤーからの提案が限られている。
技談・商談
科学的な商談技術が不足しており、お願い商談に頼る傾向がある。
業務効率
「守りの購買」が主体であり、「攻めの購買」の部分が不足している。
購入先の適正化
実績のある取引先への依存度が高く、新規取引先の開拓が進んでいない。
購買人材
設計部門からの人材派遣が多く、モチベーションの維持が難しい。
管理職の高齢化により、購買技術の伝承が困難である。
コスト意識
コストリダクションへの意識が薄く、コスト構造の把握が不十分。
【提案する指導プログラムの内容】
購買改革プロジェクトの明確化と推進体制の構築
購買方針・戦略の具体的行動レベルへの展開
購買体制の強化とコスト管理機能の充実
取引先選定基準の見直しと効率的な取引先管理
コスト査定・調達部の強化と購入コスト基準の策定
価格決定方法の改善と価格交渉の強化
標準原価の見直しと適正な原価管理の導入
コストダウン活動の強化とVE推進の促進
技談・商談技術の向上と科学的な商談手法の導入
業務効率の改善と攻めの購買の強化
適正な購入先の選定と新規取引先開拓の支援
購買人材の育成と知識の伝承の推進
コスト意識向上のためのトレーニングと情報収集・分析の支援
以上の内容に基づいて、貴社の購買改革プロジェクトに対するコンサルティング指導を行います。6ヶ月の期間を通じて、改善策の実行と成果の評価を行い、貴社の競争力向上と持続的な成長をサポートしてまいります。
ご検討いただければ幸いです。詳細な提案書については、面談時にお伝えいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
経営コンサルティングチームより
同じ質問をBardにしてみましょう。
(Bard回答)
産業用機械メーカーの購買改革プロジェクトのコンサルティング提案書
概要
この提案書は、産業用機械メーカーの購買改革プロジェクトを支援するためのコンサルティングの概要を説明しています。プロジェクトの目標は、購買コストを削減し、購買プロセスを効率化することであり、プロジェクト期間は6か月です。
問題点
購買改革プロジェクトにおいては、次の課題が指摘されています。
* 購買方針・戦略・政策が明確になっていない。
* 購買体制が弱い。
* 取引先選定基準が明確になっていない。
* 購入コスト基準が明確になっていない。
* 購入価格決定方法が明確になっていない。
* 原価管理が不十分。
* コストダウン活動が不十分。
* 技談・商談技術が不十分。
* 業務効率が低い。
* 購入先の適正化が不十分。
* 購買人材のモチベーションが低い。
* コスト意識が低い。
コンサルティングの概要
コンサルティングは、次の6つのステップで実施されます。
現状分析
課題の特定
解決策の策定
実行計画の策定
実行
評価
コンサルティングでは、プロジェクトメンバーと協力して、問題点を特定し、解決策を策定します。また、実行計画を策定し、実行します。そして、プロジェクトの進捗状況を評価し、必要に応じて修正を行います。
コンサルティングのメリット
コンサルティングを行うことで、次のメリットが得られます。
* 購買コストの削減
* 購買プロセスの効率化
* 購買方針・戦略・政策の明確化
* 購買体制の強化
* 取引先選定基準の明確化
* 購入コスト基準の明確化
* 購入価格決定方法の明確化
* 原価管理の改善
* コストダウン活動の強化
* 技談・商談技術の向上
* 業務効率の向上
* 購入先の適正化
* 購買人材のモチベーションの向上
* コスト意識の向上
コンサルティングの費用
コンサルティングの費用は、プロジェクトの規模や内容によって異なります。具体的な費用については、個別にご相談ください。
まとめ
この提案書は、産業用機械メーカーの購買改革プロジェクトを支援するためのコンサルティングの概要を説明しています。プロジェクトの目標は、購買コストを削減し、購買プロセスを効率化することであり、プロジェクト期間は6か月です。コンサルティングを行うことで、次のメリットが得られます。
* 購買コストの削減
* 購買プロセスの効率化
* 購買方針・戦略・政策の明確化
* 購買体制の強化
* 取引先選定基準の明確化
* 購入コスト基準の明確化
* 購入価格決定方法の明確化
* 原価管理の改善
* コストダウン活動の強化
* 技談・商談技術の向上
* 業務効率の向上
* 購入先の適正化
* 購買人材のモチベーションの向上
* コスト意識の向上
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
如何でしょうか。
メモ録から問題点整理」が丸写しなのはChatGPTですが、良くも悪くもあなたのメモ録に忠実です。
Bardは提案の流れが顧客説得のシナリオに沿っています。
どちらを選ばれるかは、経営コンサルタントのあなた次第です。
どちらもAIに入力後、わずか数秒で提案書が作成されてしまいます。経営コンサルタントの働き方改革になるのでしょう。
しかし、私が今回、開示しましたAI活用に経営コンサルタントの提案書の作成方法は、その通りにやれば企業側でも同じものが作れてしまいます。
企業側では、経営コンサルタントのメモ録の代わりに、社内の議事録を使えば良いわけです。
さて、それなら経営コンサルタントは不要なのでしょうか。
これについては、次回に述べたいと思います。
最初の言葉に戻りますが、経営コンサルタントにとっては大変な時代になりましたね。従来は、企業側が「自社でやります。」と言う言葉が経営コンサルタントの提案書の競合でしたが、今はAIが競合です。
★お問い合わせ
営業時間
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まずはメールでお問い合わせください。
このアドレスへのメール master.no1blender@gmail.com までお願いします。