コンサルティングの3要素
~外部人材活用の教科書~
第二巻【できているようでできていない生産管理編】
はじめに
本ページは、企業の経営者、経営企画、人事部門向けの「外部人材活用の教科書」です。
以前のコラムで書きました「できる人材の不足時代における、外部人材(=専門家)活用について」https://mbp-japan.com/hyogo/takarada/column/5089137/
の続編として、現在、企業が抱えている具体的な経営・技術課題について、その解決のための教科書としてシリーズとして執筆していきます。
経営に携わる皆様のご参考になれば幸いです。
■ヒューマンフリー(無人化)の生産の実現は?
脱炭素、カーボンフリーが叫ばれています。同じように生産、製造現場でもAI活用や作業員をロボットに置き換える計画=無人工場についての取り組みも行われています。しかしながら、超大手企業の一部のみが実現したとしても日本の99%を占める中小企業のなかでしかもものづくりに携わる企業が全て無人化を実現するのは早くても数十年はかかるでしょう。この間、現在も含め、生産現場には、正社員(定年前のベテランから新入社員に代表される若手)、契約社員(定年後の嘱託雇用、期間限定の雇用)、派遣、請負、外国人技能実習生など雇用形態や年齢、国籍の違ういろいろな方が働いています。
そこで起こっていることとしては、「生産管理の管理職が営業と製造の声の板挟みにあってストレスで辞めてしまう。」ということが表には出ず、隠れた問題としてあります。現に転職サイトでは多くの「生産管理」の求人が掲載されています。
いくらシステム化しても人間が働いている限り、「生産管理の対象がものだけで済む。」ことはあり得ません。戦後、日本が奇跡の復興を成し遂げ、日本のものづくりが世界を席巻した要因である「働く人間を忘れずに生産管理を行う。」ことの重要性を忘れてはなりません。
「もの」と「ひと」の管理が生産管理の原点です。
そこで生産管理の専門家としての外部人材の登場です。
■学歴
1982年3月 金沢工業大学 工学部 機械工学科卒
■経験した職務要約
1982年4月、大手Hグループの産業機械メーカーに入社する。
4年間機械設計業務に従事した後、製造部門に異動して組立部門の生産技術(モノづくり)を担当する。その後、工場と営業の窓口業務の生産管理の責任者を兼務する。
この間、大手Hグループから指導を受けて独自の5S、セル生産、JIT生産、SCM(supply chain management)を構築し、顧客満足を向上させて業界NO1の短納期生産により売上高3倍に貢献する。
2004 製造部長になり工場拡張、生産設備導入の指揮をとる。
2009 管轄外の部門が立ち上げた中国工場の立て直しに現地に出向いて受注、発注、在庫管理等の生産管理方式を見直し、董事長を兼務して2年で黒字に転換させた。
■生産管理についてお手伝いできること
当たり前のことであるがどこの企業でもほとんどできていない「早く、安く、良い品を」を、現場現物主義による実践で「魂を入れる」指導です。
「早く」は営業の要望に100%応え、納期で他社に勝ち抜くこと。そのため、製品の受注状況や作業の進捗状況の帳票やデータにとどまらず、やっている人間の心まで「見える化」を推進します。
「安く」は5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)で生産効率を高めます。職場をきれいにすれば効率は必ず高まる。整理とは要らないモノを捨てることで、ムダはいくらでもある。
私の経験したことですが、無理矢理要らないものまでほじくりだして改善案を考えさせるような経営コンサルタントの指導こそ、ムダの骨頂である。
「良い品を」では飴と鞭の使い分けによる「見える化」を進める。
国家資格取得者は全体朝礼等で表彰し、社内報等に掲載してやる気を高める。一方、社内外で品質不良が発生した際は、迅速に遡及対策を行った後、会議で恒久対策を検討し実行する。その後事故内容の詳細を報告書に纏め、情報共有データとして全社共有フォルダーに保管すると共に、社内に掲示して再発防止を図る。
そのほか、グループ朝礼では最初に職場の安全確認を行い、品質不良状況を説明した後、作業の指示をする。最後に「ゼロ災で行こう ヨシ」と全員で唱和して仕事に就く。
朝礼の会話が生産量や売上の話に終始するようでは現場で事故が起こるのは当然である。
人間に対して「叱ることは性悪説からですか。」と問われますが、私は性悪説でも性善説のどちらでもありません。人間は弱い存在であり「性弱説」だと思います。間違いがあれば即注意し、時には叱り、その時にこれは間違いだと理解させることが、同じことを二回起こさせないようにすることだと思います。自分自身を「嫌われ役」だと思ってしまうと相手は逃げていきますので、「人間性弱説」の意味も話したうえで「良きボス」として見られることが大切です。
生産管理ができているようでできていない会社の課題は、指導力が図れる人材の育成、経営方針の一層の浸透、ボトムアップによる職場の活性化です。これらを解決して「きれいでむだな動きのない工場」を目指します。
そのためには、組織を纏めるリーダー(後継者)の育成が重要です。
リーダーに必要な5つの資質
①先見力
新機種の開発、工場の拡張・合理化・生産設備導入計画
※投資に見合う回収 ※損益は重要
②情報力
市場(自動車、家電、IT等業界の動向)の情報、競合他社情報(価格、仕様、納期)、顧客情報(要求、苦情)等を早く入手して判断・決断の材料にする。
③判断力
AにするかBにするか?
新機種の仕様を検討、生産設備メーカーの選択、社内人事(後継者を誰にするか・適材適所に人員を配置する)、クレーム対策
④決断力
新規事業を立ち上げるか否か?
(例1)海外に新工場を作るか否か
(例2)不採算事業の撤退
⑤体力
健康第一 安全第一
★武田信玄は病に倒れ天下を取れなかった!
以上の観点でご支援致します。
※この記事は過去に外部人材活用の教科書一覧にて掲載していた記事です
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