~夏休み特別版~コンサルタントの選び方『伝統芸能に惑わされない』
こんにちは。「専門家を使う専門家」のコラムの翻訳者、えりかです。
5回目のコラムでは、“コンサルタントの選び方 出身会社はどこか”についてお話します。
このコラムのポイントは、“コンサルタント自身がしっかりした人材育成をしている会社に勤めていたのか”ということが重要になってきます。
さて、専門家を使う専門家の話が始まります。
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コンサルタントの選び方・・・出身会社はどこか
最初に申し上げます。
今回の話から連載となるコンサルタントの選び方は、企業がコンサルタントを選ぶ時に大切な視点を述べています。
また、「コンサルタントになりたい。」「コンサルタントに転職したい。」方には、コンサルタントになった時に仕事が入るか=企業に選ばれるかどうかの指針にもなります。
世の中に出版されている書籍には、コンサルタントになるための方法や気を付ける点は書かれていますが、肝心のお客様企業がコンサルタントをどの視点からチェックしているか。(そのコンサルタントに発注するかしないかの判断基準)については書かれていません。これでは、コンサルタントにはなったが、仕事が全然取れないという事態になってしまいます。
前に書きましたように、コンサルタントは結局は個人であり、組織や会社ではありません。
その個人を選ぶとなるとかなり難しいものがあります。
選ぶにあたり、どれだけのコンサルタントと出会えるかについてが最初の関門です。
基本と言うか原理原則は、コンサルタントなどの外部人材を活用する目的は、「自社の人員だけでは解決が難しい課題が存在していること」です。
その課題を解決することに必然性があるかを再度、考えます。
必要性=やった方がいいな。必然性=やらなければならない。の大きな違いがあります。
よくある話として、金融機関などの取引先から、「このコンサルタントの先生は良い指導をされますよ。あの会社もこの会社もお世話になっています。」という推薦をされて、最初にこのコンサルタント活用しようとしてはだめです。
コンサルタントにはそれぞれ得て不得手がありますが、コンサルタント側も紹介(推薦)されるとどうしても断れなくなります。また、せっかくの仕事がぶら下がっているので何としても受注しようと思うのは当然です。
さて本題です。
①優秀な母集団から優秀な人を特定する。
②玉石混交の母集団から優秀な人を探し出す。
あなたならどちらの方法を取りますか?
リスクを考えれば当然①となります。
まれに一代で築き上げたオーナー企業の跡継ぎの二代目経営者に多いのですが、②で一度、良い人材に巡り合えますと「私は、埋もれた人材を発掘することができます。」という変な自信がつき、いわば当たる確率の限りなく低い宝くじ売り場で一等を狙うために買い続けます。
ここでいう優秀な母集団とは、そのコンサルタントの出身会社のことです。
また、古い表現になりますが、「どんな優秀な名伯楽でもそこらを歩き回っている馬の中から名馬を見つけ出すことは難しい。しっかりした馬屋にいる馬の中から名馬を見つけ出すことはできる。」と言えます。
コンサルタントの出身の会社がどのような会社かは大事です。
ひとつの実例ですが、某社は当時、非上場でした。オーナー企業であり、オーナーの優れた経営センスでお客様企業のグローバルな発展にもついていき、サプライヤーとして高い評価を得ました。
さて、上場を目指すとなったところ、これから更なる優秀な人材の採用が必要になり、リクルート対策として教育体制を再考することになりました。
これまでの教育体制は、入社時に学生気分から社会人としての意識の切り替えのために宿坊での礼儀作法の訓練を取り入れた、「人間を白紙にする研修」(白紙=生まれつきの人間の心は、何も書かれてない白紙の状態であることを意味する。)を行いましたが、そのあとは配属先のOJT任せであり、職位が上がるごとに、その都度、またこの宿坊訓練を繰り返すだけであり、職位ごとの管理者としての教育は一切なされていませんでした。
当然、このようなことを続けますと社員の定着率は下がり、優秀と見込んだ人間ほどあほらしくなり転職してしまうという結果になりました。
つまり、採用される側としては、入社から退社までどのようなキャリアを形成しながら、どのようにして職位が上がっていくのかが見えないため不安であり、見切りをつけて退職するわけです。
見直し後は、入社から退職までのトータルでの教育を体系的に行う人材育成に切り替え、外部の講師を都度、うまく活用しました。
結果として、次の世代を育成していくことができ、新卒で採用した人材の定着率も格段に上がり、グローバル展開を加速するために海外子会社の社長として抜擢されても充分に役割をこなし、東証一部上場も達成しました。
この実例から学べることは、単発の「宿坊研修」だけの繰り返しでは、人材育成ができているとは言えない。しっかりした教育体系を作り、運営することにより、社会の中で自社の位置づけを見据えて将来に向かって進むことを考える人材の育成が可能になったということです。
最後にして最初の結論として、コンサルタントは「人材育成につながる指導を致します。」と言います。そのコンサルタント自身がしっかりした人材育成をしている会社に勤めていたのか?については、確認すべきであると言うことです。
ブラック企業とまではいきませんが、会社の規模にかかわらず、人材育成について偏ったやり方や角度をつけた解釈をしている会社があるのは事実です。
最近は、コンプライアンスはもとより、SDGsなどの環境経営については避けて通れませんので、社会の中で自社の位置づけを見据えて将来に向かって進むことを考える人材の育成は必須です。
コンサルタントを選ぶ時には、是非、出身会社はどこかを聞いてください。
規模や上場の有無ではなく、しっかりした会社ではしっかりしたマネジメント、その基礎となるとトータルでの教育体系の元での人材育成が行われています。特にマネジメント面をお願いする経営コンサルタントを選ぶ場合はまさに重要なポイントとなります。
追伸:宿坊研修は私も何回か受けた経験があります。自我やこだわり、思い込み等、心の汚れが洗い落とせ、仕事に対して新たな気持ちになれ、取り組み意欲が増します。
次回は、もう一つの大事な選び方“学歴はタブーなの?”についてです。
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