変わらない組織に共通する落とし穴。“問題解決”と“組織変革”の違いを理解していますか?

山田裕介

山田裕介

テーマ:人材育成、幹部育成、リーダー育成、モチベーションUP、やる気UP、ストレングスファインダー



あなたの会社でも、こんな状況はありませんか?

「問題は解決したはずなのに、なぜか職場は変わらない」
「仕組みを整えたのに、社員の行動が変わらない」

それは、問題解決と組織変革を同じだと考えていることが
原因かもしれません。


実は、組織変革のカギは“目線合わせ”が9割。

いくら問題を潰しても、目線がバラバラのままでは組織は動きません。


今回は、その違いと、本質的な変革を生む
「目線合わせ」の重要性を解説します。

1、問題解決と組織変革は「目的」が違う

「問題解決」と「組織変革」
似ているようで全く違うものです。


その違いは、
「どこを向いているか」
「どこをゴールにしているか」。

問題解決は、「今ある課題を解決すること」が目的。


不具合を修正し、目の前の問題を取り除くことがゴールです。

たとえば、「売上が落ちた」「離職率が高い」といった“症状”に対し、
改善策を講じるのが問題解決です。

組織変革は、「未来のありたい姿」を実現することが目的。

未来の理想に向けて、組織そのものの考え方・文化・仕組み・行動を
根本から変えていくプロセスです。


単なる課題解決にとどまらず、
組織の存在意義や目的を問い直すことがスタートラインなのです。

2、問題解決では“過去”を見る。組織変革は“未来”を見据える

問題解決のアプローチは、「なぜ、こうなったのか?」
という過去への分析です。

「問題の原因は何か?」
「どうすれば防げるか?」

再発防止や是正措置を考え、課題を潰していく作業です。


しかし、これは「過去の問題をなくす」ことであって、
未来を創る話ではありません。

一方、組織変革は「未来のあるべき姿」にフォーカスします。
・これからどんな組織でありたいか?

・どんな価値を社会に提供し続けたいのか?

・そのために、組織はどう進化していくべきか?

つまり、問題を潰すのではなく、未来をデザインし、
その未来から今を考えるのが組織変革なのです。

3、組織変革が失敗する理由は「目線がバラバラ」だから

組織変革が失敗する最大の理由は、
「目線合わせ」が不十分だからです。


リーダーや経営者は「組織を変えよう!」と意気込んでも、

・部下は「また何か面倒なことが始まった…」
・中間管理職は「これって本気なの? そのうち終わるよね?」
・一部のメンバーは「どうせやっても変わらない」

このように、組織内で「見ている未来」がバラバラのまま進んでしまうと、

どんなに施策や制度を整えても、誰も腹落ちして動かない状態になります。

4、「目線合わせ」とは、目的・ゴール・価値観を共有すること

「目線合わせ」は単なる情報共有ではありません。
・どこに向かうのか(ゴール)

・なぜそこを目指すのか(目的)

・それは自分にどう関わるのか(役割と意義)
を組織の全員が理解し、
 納得し、共感している状態をつくることです。

経営陣が語る「ビジョン」
ミッション・バリューに込めた「組織の存在意義」
部門ごとの「戦略」と「戦術」

これらを縦・横・斜めの全員がつなげて理解している状態こそが、
「目線が揃っている状態」です。
目線が揃っていれば、動きは速い。

一人ひとりが自ら考え、判断し、主体的に動きます。


目線がバラバラなままでは、
何をしても「指示待ち」「他責」の文化が残り、
変革は進まないのです。

5、「目線合わせ」に9割の力を注ぐべき理由

目線合わせは、「一度やればOK」ではありません。

日々、繰り返し、確認し続けることが必要です。


なぜなら、
・ 組織には常に新しいメンバーが入る

・環境や状況が変わることで、優先順位も変化する

・人は、自分ごとにならないと興味を持ち続けない
からです。

実際、うまくいっている企業は、目線合わせに9割の力を使っています。

・毎朝のミーティングで、ビジョンを語る

・会議の冒頭で「なぜこれをやるのか?」を必ず確認する

・成果よりも「どんな意図で行動したのか?」を評価する


この「しつこさ」が、結果的に組織の一体感と自律性を高めるのです。

6、「目線合わせ」ができた組織は何が違うのか?

目線が合った組織は、圧倒的にスピードが速くなります。
・上司が言わなくても、メンバーが自分たちで動く
・失敗を恐れず、挑戦する文化が生まれる
・チームがバラバラに動かず、相乗効果が生まれる


なぜなら、全員が「どこに向かうべきか」をわかっているからです。
多少の違いや意見の衝突があっても、「ゴールは同じ」だからまとまるのです。

7、目線合わせのためにリーダーがやるべきこと

1. 「ビジョンを語る」ことをやめない

何度も何度も繰り返し語ること。

それによってメンバーの中に「ビジョン」が根付き、
自分の言葉で語れるようになります。

2. 問いを投げかけ続ける

「なぜこの取り組みをするのか?」
「このゴールに向けて、自分たちにできることは何か?」

リーダーが答えを与えず、メンバー自身に考えさせることが、
目線合わせの土台になります。

3. 「共感」を最優先する

数値目標だけでなく、「なぜそれをやるのか?」への共感を得ること。

メンバーが「自分ごと」として考えない限り、行動は変わりません。

まとめ

問題解決は「過去への対応」、
組織変革は「未来の創造」。


その違いを理解しなければ、組織は変われません。

そして、未来を創るためには、目線を合わせることが何よりも大切です。
目線合わせが9割。


リーダーや経営者がビジョンを語り続け、問い続けることで、

組織全体が「自分たちの未来」に向けて動き出します。

さあ、あなたの組織は、今、どこを向いていますか?

社員の目線は揃っていますか?
変革は、そこから始まります。

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Mybestpro Members

山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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