ビジョンが伝わらないのは“社長のせい”じゃない!経営ビジョンを浸透させる“幹部育成”の極意

山田裕介

山田裕介

テーマ:理念浸透、定着率UP、採用率UP、離職防止、ストレングスファインダー

「なぜ、経営ビジョンが社員に伝わらないのか?」
「幹部が経営の考えを理解してくれない…」
と悩む経営者の方の、声を最近よく聞きます。

経営ビジョンが浸透しない理由は、
“伝え方”ではなく“幹部の理解度”にあります。

経営者の思いを共に実現する
“ビジョンを共有できる幹部”を育成しなければ、
チームは一枚岩にはなりません。

本コラムでは、
ビジョンを浸透させるための3つのポイントを解説します。

1、なぜ、経営ビジョンが浸透しないのか?

「何度も会議で話しているのに、全然ビジョンが浸透しない…」

そんな悩みを抱える経営者は多いでしょう。

ビジョンが浸透しない原因は、
社員がビジョンの“意味”を理解していないからです。

原因1. ビジョンが“言葉”のままで終わっている

経営ビジョンが「掲げるだけのスローガン」
ただの「絵に描いた餅」になっていませんか?
・「挑戦し続ける会社を目指す」
・「社員一人ひとりが成長する企業へ」
このような言葉はよく見かけますが、
具体的な行動につながっていないことが多いです。

ビジョンは“何をすればいいか分からない”状態では浸透しません。

原因2. 幹部がビジョンを“自分ごと”として捉えていない

ビジョンが社員に浸透しない理由のひとつは、
幹部がビジョンを本気で信じていないからです。
・幹部は「これは社長の考えだ」と思っている
・幹部は「自分の考えとは違うけど、言われたからやるか…」
と思っている。

このような状態では、
現場の社員にビジョンが伝わるはずがありません。

自分以上に、自分の想いを理解して
熱く伝えてくれる幹部社員の存在が必要です。

原因3. 幹部が「自分の言葉で伝えていない」

ビジョンが社長だけの“独り言”になっていませんか?
社長が話したビジョンを、
・幹部がそのまま「コピペのように伝えている」
・幹部は「自分の意見ではない」と感じながら、
 なんとなく伝えている。

この状態では、ビジョンは社員に響きません。
なぜなら、“人は誰が言うかで受け取り方が変わる”からです。

社長だけが語っても、
「また社長が言ってるわ」と受け流されることが多いです。

2、経営ビジョンを浸透させるための3つのポイント

ポイント1. 幹部に「自分の言葉で語らせる」

ビジョンは社長だけが語るものではありません。

幹部自身が「自分の言葉」で語ることが重要です。

なぜ“自分の言葉”が必要なのか?

・社員は「社長の言葉」よりも
 「自分の上司や周りの言葉」を重視するからです。
・幹部が「自分の言葉でビジョンを語れる」と、
 現場の社員はその言葉に耳を傾けるからです。

親子関係でも同じだと思います。
親が言うより、先生や周りの人が言ったことの方が
受け入れられる。そんな経験ありませんか?

具体的な取り組み方法

幹部と1on1ミーティングを行い、
まずは
・「ビジョンをどう感じているのか?」
・「なぜこのビジョンが必要なのか?」
を一緒に深掘りする。

幹部に
「あなたならこのビジョンをどう伝えますか?」
と質問し、幹部の言葉で伝える練習を一緒に考える。

せっかく1 on 1で考えたことを、社長が幹部に
「自分の言葉でビジョンを語る場」を与え、
実践の機会を設ける。

理解するだけではなく、実践(行動)することが重要です。

ポイント2. 幹部に「WHY(なぜ)」を理解させる

「なぜそのビジョンが必要なのか?」を幹部が理解しなければ、
社員に伝わりません。

ビジョンは単なる「お題目」ではなく、
「なぜこれが必要なのか?」という理由(WHY)が大切です。


「挑戦する組織をつくる」というビジョンがあったとしても、
「なぜ挑戦する必要があるのか?」が幹部に腹落ちしていない限り、社員に伝わりません。

具体的な取り組み方法

・社長は、「なぜこのビジョンが必要なのか?」を
幹部に直接問いかける。

*・幹部が「自分なりの答え」を出せるように、
 ディスカッション(対話)の場をつくる。

・「なぜ?」を繰り返し問い続け、“腹落ちる”まで対話を行う。

ポイント3. 幹部に“自分の役割”を明確にする

「自分の役割が分からない」と、
幹部はビジョンを浸透させる行動を取れません。

例えば、ビジョンに「挑戦する組織をつくる」と書かれていても、
幹部は「自分は何をすればいいのか?」が分からないと
行動を起こせません。

書いてあることとやっていることが一致していないと
現場の人はついていきません。

具体的な取り組み方法

・幹部一人ひとりに、
「ビジョンを実現するためにあなたができることは何ですか?」と
質問する

・幹部自身が、「自分の行動計画」を立てる場をつくる

・幹部ごとに「自分の役割」を明確化し、
 具体的な行動に落とし込むことが重要です。

3、まとめ:ビジョンが浸透するチームの条件は「幹部の成長」


経営ビジョンが浸透しない理由は、
「伝え方が悪い」ではなく「幹部の理解が足りない」からです。


幹部がビジョンを理解し、
自分の言葉で語り、自分の行動につなげていくと、
社員も「このビジョンは大事なんだな」と感じるようになります。

経営ビジョンを浸透させるための3つのポイント
1. 幹部に「自分の言葉で語らせる」
2. 幹部に「ビジョンのWHY(なぜ)を理解させる」
3. 幹部に「自分の役割を明確にさせる」

最後に質問です。
・あなたの幹部は、ビジョンを
 “自分の言葉”で語れていますか?
・幹部が「なぜこのビジョンが必要か?」を
 自分の言葉で説明できますか?

もし答えが「NO」なら、
まずは幹部と一緒に「ビジョンを語る時間」をつくりましょう。

経営ビジョンが浸透すれば、チームは一枚岩になります。

ビジョンを実現するためには、経営者一人ではなく、
幹部を巻き込むことが必要です!

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山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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