「1 on 1ミーティングが形骸化していませんか?部下の信頼を得るために必要な本当の対話とは」
・「売上を上げろ!」
・「もっと成果を出せ!」
といった声が社内に響く企業は少なくありませんが、
実はこの考え方が組織の成長を止めているかもしれません。
なぜなら、「結果は直接コントロールできないもの」だからです。
今、企業が注目すべきは「関係の質」を高めること。
関係の質が変われば、
考え方(思考の質)が変わり、
行動(行動の質)が変わり、
自然と結果(結果の質)も変わります。
本コラムでは、なぜ今「関係の質」が求められているのか、
そして関係の質を高めるための具体的な方法を解説します。
※成功の循環モデル
ダニエル・キム氏が著書「SYSTEMS THINKER」にて提唱したもの
ダニエル・キム氏によれば結果の質を上げるにはまず関係の質を上げる必要がある
目次
1、なぜ今「関係の質」を高めることが求められているのか
これまで多くの企業は
・「売上を上げよう」
・「利益を出そう」といった
「結果の質」を重視してきましたが、
現代ではそのアプローチが通用しなくなっています。
その背景には、働き方の変化と人材の価値観の変化が影響しています。
1 テレワークの拡大で「関係の質」が可視化された
コロナ禍の影響でテレワークが急速に広がり、
これまでオフィスで「なんとなく保たれていた関係」が一気に可視化されるようになりました。
オフィスでは雑談やすれ違いの会話が関係性を支えていました。
テレワークでは「意図的なコミュニケーション」を取らないと関係が続かない
結果的に、「関係の質が高いチームは成果を出せたが、
関係の質が低いチームは不調に陥った」という現象が各企業で起きています。
2 若手社員の価値観の変化
今の若手社員は「納得感」や「共感」を求める傾向が強まっています。
昭和・平成の時代のように「上司が言うからやる」といった考え方はもはや通用しません。
・「なぜこの行動が必要なのか?」を納得しなければ動かない
→働く意味・意義の重要性が増しています。
・「自分が尊重されている」と感じなければ、モチベーションが上がらない
→自分が必要されている・貢献しているという感覚を作ることが重要です。
そのため、関係の質が低い職場では、若手社員が不満を持ち、
早期離職につながるケースが増えています。
3「関係の質」が業績に直結する理由
関係の質が高い職場では、
社員のやる気が上がり、行動が変わり、最終的な成果(売上や利益)も向上します。
例えば、こんな違いが出てきます。
関係の質が低いチーム
上司は「もっと売上を上げろ!」と指示するだけ。
社員は「どうせ自分が何を言っても変わらない」と感じ、意見を言わなくなる。
関係の質が高いチーム
上司は部下に「どう思う?」と質問し、部下の意見を受け入れる場を作る。
社員は「自分の意見が大事にされている」と感じ、前向きに行動するようになる。
2、どうして「結果の質」を追い求めても、結果が出ないの
結論を言えば、
「結果はコントロールできないもの」だからです。
例えば、「売上を上げろ!」といくら叫んでも、
売上はお客様の購入意思に依存するため、直接コントロールすることはできません。
また今の時代、〇〇をやれば結果が出るという
成功パターンが予測しにくい時代なっています。
結果を出せと部下に伝えた時
部下:「では、どうやればいいですか?」
聞かれた時に、
上司:「それは自分で考えろ!」
では、部下は育つどころか
やる気を失ってしまいます。
結果を変えるためには“関係の質”を変えるしかない
関係の質 → 思考の質 → 行動の質 → 結果の質
この流れが「成功循環モデル」と呼ばれる考え方です。
関係の質が変われば、
社員は「自分の意見が尊重される」と感じ、
前向きな「思考の質」を持つようになります。
前向きな考え方が「行動の質」を変え、
社員は新しい挑戦や改善行動をするようになります。
その結果、「結果の質」が変わり、売上や業績が向上します。
「結果の質」を高めることから始めるのではなく
まずは「関係の質」を高めることに集中しましょう。
3、では、関係の質を高めるにはどうすればいいのか?
関係の質を高めるための3つの方法を紹介します。
1. ストレングスファインダーの活用
ストレングスファインダーは、社員の「強み」を可視化するツールです。
まずは全員でストレングスファインダーを使って
対話をしていきます。
自分が仕事をする中で、得意な業務は何なのか?
活躍できる環境はどんなものがあり
逆に活躍できない環境はどんな状況なのか?
などを幹部・社員交えて話し合います。
社員の「強み」が分かれば、
お互いの違いを理解するきっかけになります。
お互いの強みが理解できれば、
「この人はこういう考え方をするんだ」
と受け入れられる関係性が生まれます。
2. 1on1ミーティングの実施
1on1は、上司と部下が「じっくり話す時間」をつくる場です。
1on1の目的は指導ではなく、関係づくりです。
部下の意見をしっかり「聴く」ことで、関係の質が高まります。
とても重要なことは、部下のことを
「一人の人としてみてあげられるかどうか」
にかかっています。
1 on 1の時間では
どんな時に強みを活かせていると思うか?
どんな環境があれば、自分の強みをもっと活かせるか?
など、部下のモチベーションを上げる時間を作りましょう。
3. 心理的安全性の向上
「安心して意見を言える場」があると、
関係の質は高まります。
上司は部下の意見を否定しないことが大切です。
部下が意見を言ったときは、
「それも一つの考え方だね」
と受け入れることがポイントです。
4、まとめ:関係の質を高めれば、すべてが変わる
「結果を出せ!」とだけ言うと、
社員のやる気が失われます。
その代わり、関係の質を高めれば、
社員の考え方(思考の質)が変わり、
行動が変わり、最終的な結果(売上・業績)も変わります。
関係の質 → 思考の質 → 行動の質 → 結果の質
この流れを作るために、
ストレングスファインダー研修や1on1の導入することをオススメしています。
「社員が動かない…」という悩みがあるなら、
まずは関係の質を変えるところから始めましょう!
関係性が変われば、すべてが変わります。
今から変革を始めましょう!
お気軽にご連絡お待ちしています。