成果主義の落とし穴!?チームディングが弱い組織が成長できない理由とその解決策

山田裕介

山田裕介

テーマ:人材育成、幹部育成、リーダー育成、モチベーションUP、やる気UP、ストレングスファインダー


個人の成果を重視するあまり、チームの一体感が感じられない」
──このような悩みを抱える経営者や人事担当者は少なくありません。

成果主義は一見、合理的な制度に見えますが、
チームの協力関係が希薄になると、業績はむしろ低下してしまいます。

本コラムでは、成果主義の落とし穴と、チームビルドを強化する方法について解説します。

1. 成果主義がチームワークを弱体化させる理由

成果主義は、個人の目標達成を重視する評価制度です。
「個人が成果を上げれば組織も成長する」と考えがちですが、
現場では次のような弊害が生まれることがあります。

1. 競争意識が生まれ、協力が減る

個人の成果が評価の中心になると、
他人をサポートするメリットが見えづらくなります。

これにより、メンバー同士の協力が減り、
助け合いや情報共有が行われなくなるリスクがあります。

最悪の場合、足の引っ張り合いが生まれ
本来の一番重要である、企業全体の売り上げを上げるという
目的を見失ってしまう結果になります。

2. 部下が孤立しやすくなる

「結果がすべて」となると、メンバー一人ひとりが自分の目標達成に集中するため、
相談や助けを求めづらい雰囲気が生まれます。

結果、心理的安全性が低下し、
・わからないことが聞けない
・意見が出なくなる
・誰に相談すればいいかわからない
という事態に陥るのです。

3. 短期的な視点に偏りやすい

成果主義では、目に見える「短期的な成果」ばかりが評価される傾向があります。
そのため、長期的な視点での成長や、業務の改善、チームの関係性を深めるといった
「見えにくい貢献」が軽視されてしまいます。

そのため、結果をすぐに出せるメンバーは評価されるものの
コツコツ頑張るタイプのメンバーを蔑ろにしてしまう傾向があります。

誰もがスピーディーに結果を出せるとは限りません。
コツコツ信頼関係を構築することで、後々の大きな
成果を残す人も多いはずです。

成果主義が蔓延すると、
多くのメンバーには日が当たらなくなってしまう傾向あります。

2. チームビルドが弱い組織が抱えるリスク

チームビルドが不十分な組織では、次のような課題が現れます。

1. 離職率が高まる

孤立した社員は、会社への愛着やエンゲージメントを感じにくくなり、
退職を選びやすくなります。

特に、心理的安全性が低い組織では離職率が高くなることが多いです。

2. 組織の学習能力が低下する

チームビルドが弱いと、メンバー同士の意見交換が減り、
成功や失敗からの学びが共有されなくなります。

全員が本音を話せない組織が出来上がると
大切な情報共有が滞りがちです。

これにより、うまくいっている人のアイデアが共有されずに
チーム全体と成果が上がらないばかりか
ミスも共有されないため、同じミスが繰り返され、
業務の改善サイクルも止まってしまいます。

3. 組織の成長が停滞する

協力が不足する組織では、
新しいアイデアが生まれにくくなります。

現代の社会は変化のスピードが非常に速くなっています。
このスピードに対応する上でも、メンバー間での
新しいアイデアの共有が組織成長の鍵になってきます。

メンバーのコミュニケーションが少ない組織はでは、
変化対応力が低下し、成長のスピードが鈍化します。

3. 成果主義とチームビルドを両立させる方法

では、成果主義とチームビルドをどう両立させればいいのでしょうか?
重要なポイントは、
「個人の成果とチームの成果を両方評価する仕組みをつくること」です。

ここでは具体的な3つの方法をご紹介します。

1. チーム目標と個人目標を両立させる

成果主義の考え方を活かしつつ、
チーム全体の目標も評価基準に加えるのが効果的です。

個人目標とチーム目標の両方を掲げ、
個人がチームの成功に貢献できる仕組みを作ります。

これにより、「他の人を支援する行動」も評価対象にすることが可能です。

2. ストレングスファインダーを活用する

ストレングスファインダーは、
個々の強みを可視化するアセスメントツールです。

メンバー全員の強みが分かれば、誰がどの業務に向いているかが明確になり、
最適な役割分担が可能になります。

これにより、チーム内での協力体制が整い、メンバー同士が自然に支援し合う関係が生まれます。

3. 心理的安全性を高める仕組みを導入する

「どんな意見も安心して発言できる」環境が整えば、
メンバー同士が積極的にフィードバックを行い、協力が生まれやすくなります。

Googleが行った「プロジェクトアリストテレス」の研究では、
心理的安全性の高いチームは成果が高いと証明されています。

心理的安全性を高めるためには、1on1ミーティングや、
上司が部下の意見を尊重する文化をつくることが効果的です。

4. まとめ:成果主義を進化させ、チームビルディングを強化する

成果主義は、個人のパフォーマンスを引き上げる強力な制度ですが、
「チームビルディングが弱い」という状態が続けば、組織全体の成長は停滞してしまいます。

これからの時代は、個人の成果だけでなくチーム全体の成功を評価する仕組みが必要です。

世界的に見ても、多くの企業が
業績評価(レイティング)をやめています。

業績評価(レイティング)をやめている理由として
社員同士の協力関係が生まれにくく、チームとして機能させることが難しいことが挙げられます。

次回のコラムで詳細はお伝えしますが、
MIT組織学習センター共同創始者のダニエル・キム氏が
提唱している「成功循環モデル」でも
「結果の質」に拘るのでなく、まずは「関係の質」を
高めることが何よりも重要だと説いています。

この「関係の質」を高めるために
個人の強みを可視化し、メンバー同士の相互理解を促進することだ重要だと考えいます。

協力関係が強化され、心理的安全性が向上することで、
「個人の成果」も「チームの成果」も両方を実現することが可能になります。

弊社では、チームビルディングを強化するための
「ストレングスファインダー研修」を提供しています。

「従来のモデルから脱却し、チームビルディングを強化したい」
とお考えの経営者や人事担当者の方は、ぜひご相談ください。

個の成長とチームの成長を両立させる新たな戦略を、私たちと一緒に実現しましょう!

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山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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