難解な相続問題(不動産の共有と相続登記の放置)
今年度も、休眠会社等の整理作業が行われます。
休眠会社等の整理作業とは?
株式会社、少なくとも約10年に一度は、何らかの登記をしなければなりません。
※一般社団法人又は一般財団法人の場合は約5年
そうであるにも関わらず、登記を12年以上していないところに対して、法務局から「事業を継続」しているか?についてお尋ねが届きます。
このお尋ねに対して、指定期限までに事業を継続している旨の届出がなされない場合は、「みなし解散」させられます。
じばらく実施されない時期もありましたが、毎年10月頃にこの整理作業が行われます。
「みなし解散」の影響
みなし解散させられた株式会社の登記簿には、「年月日会社法第472条第1項の規定により解散」と登記されます。
みなし解散により、次のような影響が考えられます。
1.信用失墜
取引先等から、法律を守っていない(コンプライアンスの意識が低い)会社とみなされるおそれがあります。
2.登記費用が余計にかかる
みなし解散から復活(会社継続)するための費用は、通常の役員変更より5倍以上かかります。
※詳しくは、当事務所のホームページをご覧ください。
みなし解散後の会社継続
3.過料
みなし解散させられた場合には、少なくとも次の2点の違反行為があったことになります。
①取締役等をきちんと選任していない
②登記申請時期(原則2週間)を守っていない
違反行為に対して、会社法では、100万円以下の過料に処する、と規定しています。
まとめ
税金をきちんと納め、事業も継続しているのにもかかわらず、役員の選任や登記を放置しただけで、みなし解散させられることに憤りを感じるかもしれません。
しかし、会社は、会社法という法律を根拠として、その存在が認められているため、会社法を遵守する義務があります。
事業をされている方にとっては面倒なことではありますが、これを機会に、単にコスト面だけではなく、会社経営の一環として、役員の任期や会社の在り方についてご検討してみてはいかがでしょうか?