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注文住宅の住宅設備【二重窓】実際につけてみた

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:住宅

ネット上にはよく「新築住宅で要らない設備」とか「絶対付けたい設備」とかのコラムが載っています。
家を建てるときに、こういう情報を参考にするという人も多いかもしれません。
これらのコラムについて私も幾つか読んでみましたが、役に立つ情報がある一方、独善的でかなり偏った記事も目立ちました。

そこで、実際に注文住宅を設計をしている建築士の立場から、
私が設計した家でよく使われた住宅設備
住んでいる人からの評価が高い住宅設備
を中心に、なるべく公平な視点で採り上げていきたいと思います。

今回は、
二重窓
についてです。


二重窓とはペアガラスのことではありません

まず最初に今回のテーマですが二重窓についてです。内窓、二重サッシという言い方もあります。
これは「二重ガラスのサッシ」「ペアガラスサッシ」ではありません。
サッシの内側にもう一つ窓をつけることです。

二重窓
東北や北海道などの寒冷地の方だと二重窓といえばすぐにわかって貰えるかもしれませんが、比較的温暖な関西地方では二重窓に馴染みがなく、これらを混同しているかもしれませんので一応書いておきます。

二重窓の機能面のメリット

二重窓を付けるメリットですが、機能面では以下のような理由でしょうか。

防音効果のアップ
窓が二重になりますので、当然、防音効果は高くなります。
私の設計した物件でも、交通量の多い道路や線路が近い場合、二重窓を提案しています。

断熱効果のアップ
サッシが2重なのですから当然断熱性能も高くなります。
寒冷地での採用が多い理由は、当然これですね。

・・・断熱についてですが、窓の断熱を費用対効果で考えるなら比較的温暖な地域である関西においては「高断熱サッシ」を選ぶという方法もあります。

最近の高断熱サッシは非常に優秀ですので、断熱だけを目的にお金を掛けるのであれば、まず最初に考えるのは二重サッシよりサッシとガラスの高性能化になります。

では寒冷地以外で二重窓を選ぶ理由は他にないのかというと・・・他にも以下のような理由があります。

二重窓をインテリアとして使う

たとえば和モダンのインテリアにする場合、二重窓の内窓を障子のように使うことで落ち着きのある内装にすることが出来ます。

二重サッシ
この写真はYKK APの内窓です。

二重サッシ
こちらの写真はLIXILの内窓です。

桟の入った内窓はモダンな障子のように見えますし、内窓を半透明にすることでカーテンなどを無くすことが出来ます。

二重サッシ
和室などで使うとスッキリしたインテリアになりますね。

二重窓のデメリットは?

二重窓のデメリットといえば、まず開け閉めが面倒なことでしょうか。
換気をしようとするとサッシを2枚開けることになりますので、当然、手間がかかります。

もう一つはやはりコスト面でしょうね。
追加の建具が増えるのですから、当然費用は増えます。

しかしコストが増えるといっても内窓自体はそんなに高いものではありませんし、カーテンやブラインドを省ける場合もありますから実際はそんなに気にならないかもしれません。

内窓
写真はYKK APの内窓です。
桟のある内窓がインテリアのアクセントになっていますね。

まとめ

二重窓について、関西ではすべての部屋に使うということはあまりありませんね。
一部の部屋に二重窓を使った家というと、私が担当した中での採用率は3割くらいでしょうか。

内窓
二重窓というとリフォーム用ではないかと思っている人もいるかもしれませんが、新築に使うのももちろんあります。

特に騒音が気になる部屋、スッキリしたモダン和室などでは、是非検討して頂きたいと思います。

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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

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