注文住宅の住宅設備【天井埋め込みエアコン】実際につけてみた

実際に注文住宅を設計をしている立場から、
私が設計した家でよく使われた住宅設備
住んでいる人からの評価が高い住宅設備
をなるべく公平な視点で採り上げていくコラムです。
住宅設備について迷っている方は、参考にしてください。

今回は、天井埋め込みエアコンです。

天井に取り付けるエアコン、名称は天井埋め込み型エアコン、天井カセット型エアコン、天井ビルトインエアコン、天吊りエアコン、天井吊型エアコンなど呼び方はいろいろです。
要するに壁付けではなく天井に取り付ける（天井に埋まっている）エアコンですね。


こういうエアコンはオフィスや店舗で使っているイメージのある方もいると思いますが、最近は個人住宅での設置も少なくありません。
新築時の取り付けを検討している人も多いのではないでしょうか。

天井埋め込みエアコンのメリットは？

天井埋め込みエアコンを付けたときのメリットと言えば、なんといってもインテリアがすっきりすることでしょう。

インテリアにこだわりのある部屋では壁付けのエアコンが目障りに感じられる人もいるかと思いますが、そういうときにはこのタイプのエアコンがおすすめです。


また、その他にも、
高性能なものが多く、冷暖房性能が高い
風向が自然で、部屋が均等な温度になりやすい
などのメリットがあります。

また、あまり気づかない人が多いのですが大きなメリットとして、
室外機の場所が自由になる
というのがあります。

天井埋め込みエアコンは、ドレン排水の取り回しがかなり自由、更に冷媒管の延長距離も結構長いので、室外機の設置範囲が広くなります。

結果として、室外機を外の邪魔にならない場所に配置する、複数のエアコンの室外機をまとめて置く、などの対応が可能です。

室外機を邪魔にならないところに置ける・・・これは結構大きな利点だと思います。

天井埋め込みエアコンのデメリットは？

デメリットは、充分想像できると思いますが一般的な壁付けエアコンより高いことです。

値段は機種によっても違うので一概には言えませんが、量産型の壁付けエアコンに比べると、大体2倍くらいになるのではないでしょうか。

設置時の初期費用が高いということは、その後の交換時にも高くなるということです。
これはどうしても避けられないデメリットですね。

また、設置には天井裏スペースが必要です。

最近の天井埋め込みエアコンはかなり薄型のものも多くありますが、やはり天井裏スペースはそれなりに必要ですね。

天井埋め込みエアコンはおすすめですか？

天井埋め込みエアコンはおすすめするかどうか・・・これは住む人の生活パターンと、部屋の構成によって変わってきますね。

天井埋め込みエアコンをおすすめする人
エアコンを多用してなるべく室温を一定にしておきたい人。
24時間空調を目指している人。
ペットがいて空調を切れない人。
・・・など。

天井埋め込みエアコンをおすすめする部屋
天井高が高い部屋、広い部屋・・・開放感のあるリビングなど。
インテリアにこだわりのある部屋。


私が設計した家で、天井埋め込みエアコンの採用率は・・・リビングについて言えば半分くらいでしょうか。

天井高を高めにとった広いリビングには、やはりこのタイプのエアコンが似合います。

最近は照明器具もダウンライトのような埋め込みタイプが増えましたので、ダウンライト＋天井埋め込みエアコンですっきりしたフラットな天井にすることが多いですね。

まとめ

天井埋め込み型エアコンを使う場合、天井裏スペースの確保などいろいろな設計課題に影響しますので、早めに設計者に言っておきましょう。

「エアコンは家を建てたあと、家電屋さんで購入するから・・・」という人も、空調の計画はあらかじめ考えておいた方が良いと思います。

最近、広い部屋には高性能な200Vエアコンを使うことも増えてきていますので、そういう意味でもどんな空調機器を付けるのかは、なるべく家を建てる前に決めておきましょう。