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天井の高い家。間取りではなく立体で考える家つくり

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:住宅

今回のコラムは住宅における天井高についてです。


住宅情報で家の紹介をみていると間取りだけが載っていて、高さ方向の資料は載っていないことが多いですね。

しかし実際に生活してみると、部屋の快適さを決める要素としては平面的な広さだけでなく上下方向の広さ、つまり天井高が印象を大きく左右することも多々あります。

たとえばいくら広いリビングを作り高価な家具ならべても、天井高が低ければ視界に広がりが感じられず「くつろぎ感」が得られにくい部屋になります。

インテリアの店舗で家具を選んでいるときはショールーム内の天井が高いのであまり気づかないのかもしれません。

しかし家に置いてみると、天井高の違いでもうひとつスッキリしないということもあります。

広いリビングに低い天井高では、妙にちぐはぐな箱庭感が出てしまいます。

天井高が固定されてしまう高級マンションで、広いリビングに豪華な内装なのになんとなく「作り物感」が出てしまうのはこのためだと思います。



リビングに最適な天井高さとは?


普通の部屋の場合、天井の高さは2.3mから2.5mくらいであることが多いと思います。

しかし、広さが15畳を超えるような広いリビングだと、もう少し天井高を高くした方がバランスが良いかと思います。

広いリビング
写真のリビングの天井高は約2.8mです。

照明器具やエアコンなどはすべて天井に埋め込むことで、視界の広がりを遮るものを極力減らしました。

これくらいの天井高だと広いリビングもスッキリとしていいですね。

リビングにロフト


ロフトのあるリビング
写真のリビングルーム、天井は傾斜天井になっています。

天井高は一番高いところで3.4m、低いところは2.7mです。

これくらいの高さがあると、リビングの一部にロフトを作ることも出来ます。

ロフト
リビングのロフトの使い方として、多いのは子供の遊び場でしょうか。

ロフトの低い天井高でも子供なら充分に使いこなせますし、目の届く範囲に遊び場があるのは見守る親の安心にも繋がります。

多少子供が散らかしても直接見えないので、お片付けに神経質にならなくていいのも利点ですね。

便利かどうか人によって評価の分かれるロフトですが、結局、使い方次第ということかもしれません。

折り上げ天井の部屋


天井の高さを高くする方法としては、折り上げ天井もあります。


折り上げ天井
折り上げ天井は高さを稼ぐだけで無く、部屋全体のアクセントとしても機能します。

照明器具や壁紙の変化などで「魅せるインテリア」を演出することも出来ますね。

エントランスに最適な天井高さとは?


玄関を入ったところ、エントランスホールも明るさや開放感が欲しい場所です。

マンションでは間取りの関係で玄関を入ったところは廊下に繋がっていることが多く、どうしても「広くて明るいエントランス」を作るのは難しくなるのですが、折角の戸建て住宅であれば天井が高く開放感のあるエントランスホールを作ることが出来ます。

エントランスホール
写真は吹き抜けのあるエントランスホールです。

高さのあるエントランスホール、玄関が明るくて開放的なのは家の快適性を考える上で結構大事なことだと思います。

寝室に最適な天井高さとは?


寝室
写真の寝室は天井高約2.6m。

広めの寝室ですので、天井高はちょっと高めになっています。

寝室の天井高については、個人的な好みもありますね。

「寝室は低い方が落ち着く」「あまり広くない方が落ち着く」という方もいます。

このあたりは好みで選んでください。

天井高を自由にしたい


注文住宅で家を建てるのでしたら、部屋の天井高は自由に選びたいですね。

天井高さ
部屋だけでなくビルトインガレージなどを考えて、天井の高さを決めていくという方法もあります。

天井高さ
家を建てるとき、天井高については自由な発想で考えていきたいですね。

天井高が自由ではない家


ハウスメーカーの家では、吹き抜けというと1~2階すべてを使った吹き抜けになってしまうことがあります。

ハウスメーカーの家
ハウスメーカーの家はモジュール単位の設計なので細かい寸法調整が出来ず、どうしてもこうなってしまうのかもしれません。

しかし、これでは天井高が高すぎて空調なども不利になりますし、空間効率的にも無駄が多い家になってしまいます。

こういう大雑把な天井高の設定は、あまりお勧め出来ません。

家は立体で考えましょう


家の設計考えるとき、多くの人はまず間取り、つまり「平面」で考えると思います。

しかし家の住み心地を決める要素はそれだけではありません。

部屋の天井高、高さ方向も快適性を決める大切な要素です。

折角、注文住宅をたてるのですから、是非家を「立体的に」考えてみてください。

また設計者を選ぶときも、間取りだけでなく高さ方向も提案してしてくれる人を選んでください。


  ◇ ◇ ◇


家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。

テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】

興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。


 ◇ ◇ ◇


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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

浅井知彦プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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