シューズクローゼット/シューズクローク/玄関収納のある家をつくる
今回のテーマは3階建ての住宅についてです。
3階建住宅というと、都会の狭小住宅など「土地が狭いので仕方なく建てる家」と思っている人もいるかもしれません。
しかしそういったネガティブな理由だけではなく、積極的に採用する理由というのもありますので、そのあたりも含めてメリット、デメリット、設計のポイントを書いていきます。
3階建ての住宅については今までいくつも設計していますし、実際、自分も3階建ての家に10年以上住んでいますので、その実感も含めて書いていきたいと思います。
生活のメインスペースを何処にするのか
3階建ての家について、よく言われるデメリットは
「上下階の移動が多く、階段を上り下りするのが面倒」
でしょうか。
確かに、1日に何度も1階~3階を上り下りしていては面倒、体力も使いますし嫌になるでしょう。
この欠点を避けるポイントは、「よく使う場所を集約すること」です。
たとえば、住宅の中で良く使う場所、長く居る場所を以下のようにランク分けしてみます。
【1日のうち長い時間を過ごす場所】
リビング、主寝室など
【1日のうち何度も行く場所】
トイレ、個室など
【1日のうち頻繁には行かない場所】
お風呂、ゲストルーム、納戸など
・・・これを上手くフロア別に分ければ、頻繁に階段を上り下りする必要は無くなります。
リビングを中心にした間取りプラン
先程の「家の中の居場所ランキング」にも近い内容になりますが「リビングを何処にするのか」も、快適な3階建住宅のプランニングでは重要です。
2階建ての住宅では1階に固定されることが多いリビングルームですが、3階建てであればそんな制約はありません。
上下階からアプローチしやすい2階リビング、眺望が望める立地であれば3階リビングというのも充分考えられます。
立地要件にも依りますが、2階や3階にリビングを配置した場合、陽当たりや風通しも良く、外部からの視線が避けられる場合が多くなります。
快適なリビング作りは、住み心地の良い家づくりの第一歩です。
展望風呂も作れます
お風呂を2階あるいは3階に設置するというプランも面白いと思います。
2階、3階のお風呂は外部からの視線も気にならず、大きめの窓を設けることも出来ます。
風通しの良いお風呂は、カビ対策にも有効です。
また、一緒に洗濯室なども配置すれば、風通しの良い部屋干しが可能です。
3階のお風呂と洗濯室
必要に応じて階高を変えることをお勧めします
3階建てといっても、必ず1階部分に居室を配置する必要はありません。
例えば、1階を駐車場、納戸などにして、生活スペースを2階、3階に纏めるという方法もあります。
この場合、居室の無い1階の階高を低くすることで、1階~2階の移動を楽にするという方法もあります。
2階、3階の生活スペースは前面道路からの視線も外すことが出来ますし、陽当たりの確保にも有効です。
傾斜地に作る3階建て
傾斜地に家を建てる場合、土地に合わせた3階建てを計画するのも良いですね。
例えば、こんなプランはどうでしょう?
傾斜地での家づくりは、土地の造成と家を建てることを一体的に計画することがポイントだと思います。
その場合、3階建てという方法も、充分検討に値するのではないでしょうか。
・・・ここまでいろいろな3階建てのアイデアを書いてきましたが、個人的にあまりお勧めしたくない3階建てもあります。
木造はお勧めしません
元々、木造軸組という工法は、鉄筋コンクリートなどに比べると剛性が低く層間変位が大きくなりがち、結果として「揺れやすい構造」の家になっています。
【参考】強風、突風、台風で家が揺れる。家がきしむ。
耐震性については、木造3階建住宅についても確認申請時に構造計算を行いますので、新築時には十分な安全性
があると考えて良いと思います。
ただ木造の場合、どうしても経年での劣化の可能性、特に湿気による構造材の腐食の可能性が避けられません。
2階以上に水回りを設置した場合、どうしても将来の漏水の心配をしてしまいます。
狭小地、予算の関係でどうしても木造3階建になってしまうことは多いと思いますが、長期耐久性を考えた場合、設計者としては積極的には採用したくないと考えています。
最初にも書きましたが、私が今住んでいる家は3階建てです。
10年以上住んでいますが、特に不自由はありません。
鉄筋コンクリート造ですので揺れも全く感じませんし、陽当たりや風通しも問題ありません。
3階建ての住宅は「土地が狭いから・・・」というネガティブな理由で選ぶだけでは無く、敷地に合わせた自由な家づくりの中で、充分検討して良い家の形だと思います。
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家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。
テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】
興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。
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