鉄筋コンクリートでつくるローコスト住宅
私は14年間、コンクリート打ちっ放しの鉄筋コンクリート住宅に住んでいます。
インターネット上では、コンクリート打ちっ放し仕上げの住宅について「クールでカッコいい」「デザイナーズ住宅」などの評価がある一方、「外壁が汚れそう」「定期的にメンテナンスが必要なのでは」「デザインに飽きるのでは」と考えている人もいるようです。
また、鉄筋コンクリート住宅自体、「湿気が多そう」「カビが生えるのでは」「冬、寒そう」などの心配をしている人もいます。
ここでは、「鉄筋コンクリート打ちっ放しの住宅の実際」について、私が14年住んだ上での実体験を書いていきたいと思います。
この写真は14年前、竣工時の外観写真です。
建物は鉄筋コンクリート3階建、屋上緑化(屋上庭園)、ビルトインガレージ付きの建物です。
まず、最初に14年経った、現在の外壁の様子の写真を見てみます。
これが14年経った打ちっ放し外壁面の写真です。
外壁のメンテナンス、クリーニングについては、この14年間、一度も行っていません。
これを見て頂けると分かりますが、外壁面にはほとんど変化はありません。
打ちっ放しコンクリートの表面には、施工時、外壁には透明の撥水材を塗布しています。
コンクリート打ちっ放し表面への撥水材の塗布については、コンクリート肌合いが少し変わるため、建てる人によって好みが分かれるようです。
撥水材を塗布しない場合、
この写真のように、雨の日には水を吸い込むようになります。
もちろんコンクリート自体に止水性があるので、こんな状態でも特に防水性能に問題があるわけではありません。
しかし、水を吸い込む外壁は、どうしても汚れやカビ、コケなどの発生には不利な状態であると言えます。
写真は、撥水材を使わなかったコンクリート塀です。
家と同じ14年経っていますが、汚れが目立つ状態です。
(風通しが悪い場所にることも原因の一つですが)
撥水材の耐久性については、ノーメンテナンスで14年が経ちましたが、撥水効果もあまり変わらないように思います。
20年、30年先のことは分かりませんが、現在の状況をみると「打ちっ放し外壁+撥水加工」で、長く家の外観を綺麗に保つことができると考えます。
「メンテナンスフリーでずっと綺麗な家に住みたい」方には、おすすめの外壁仕上げだと思います。
鉄筋コンクリート打ちっ放し住宅の外観デザインについて
打ちっ放し仕上げの外観デザインについては、個人の好き嫌いもあると思います。
「スタイリッシュ」「クール」「かっこいい」と言われることがある一方、「目立ちすぎ」「デザイナーズ住宅っぽくて周りから浮きそう」という否定的な意見もあるかと思います。
外観デザインについては最終的には好みの問題、主観で決まります。
ただ、実際14年住んでみて、かつ幾つも鉄筋コンクリート打ちっ放し住宅を建ててきた経験からすると、意外とコンクリートの外観というのは日本の住環境に溶け込むなあという印象を持っています。
写真は神戸市の北野地区、異人館通りの風景です。
この道には歴史のある異人館と新しく作った鉄筋コンクリートの建物が混在していますが、それほど違和感はありません。
実際、神戸市北野地区の他、建築の外観デザイン規制の厳しい芦屋市などでも、コンクリート打ちっ放し住宅は、厳しい建築外観審査をクリアします。
派手なサイディングを張り付けた家に比べると、灰色一色の外観は、むしろ地味なくらいです。
一般的なサイディングなどの外壁材は、時代によってデザインの流行り廃りがあります。
しかし、打ちっ放し住宅のコンクリート素材そのままの外観は、流行に関係ないので、時間が経っても古く見えません。
「外観デザインが古く見えない」ことも、長く住む上では重要なことかと思います。
ここまで「実際に14年住んでみた」上で、鉄筋コンクリート打ちっ放し住宅の感想を書いてきました。
これから家を建てる上で、鉄筋コンクリート打ちっ放しを検討されている方の参考になればと思います。
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家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。
テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】
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