建築士が考える、失敗する家作りのパターン
今まで様々なルーフバルコニー、ルーフテラスのある建物を作ってきました。
ルーフバルコニー、屋上庭園、屋上緑化など、建物の屋上を活用する設計については、専門家と言っても良いと思います。
私が屋上を活用する建物を作る理由は、主な建築場所の多くが郊外ではなく、都市部(地価が高い)や山手(眺めが良い)であることも関係しています。
建物の距離が近い都市部でプライバシーの守られた庭を作るのは困難ですし、山手の傾斜地であれば、陽当たりと眺めの良いスペースが欲しくなります。
これらの要望を叶えるのは、屋上空間を利用するのが最適解だと思います。
それなりにコストの掛かるルーフバルコニーですが、生活の中に上手く生かせば、魅力的な空間を作ることができます。
◇陽当たりが最高(菜園などを作っても良く育ちます)
◇衛生的で安全(子供の遊び場としても使えます)
◇視線が気にならない(都会での暮らしでは貴重な庭になります)
◇眺望が素晴らしい(これは立地に依りますが)
・・・など、普通の庭では得難い利点があります。
ルーフバルコニーを日常的に使いこなすのであれば、リビング一体型のバルコニーをお薦めします。
リビング、廊下から掃き出し窓で繋がったルーフバルコニーです。
このようなリビングと繋がった空間にすれば、日常的に使うことが可能です。
ルーフバルコニーの床の仕上げについては、使い方によってタイル、芝生、人工芝など、いろいろ仕上げが考えられます。
人工芝を敷き込んだ場合。見た目に綺麗で実用的です。
ジョイントタイルを使った例。バーベキューなどを行う方にお薦めします。
天然芝を使った屋上庭園の例です。
眺めの良い土地に家を建てる場合、都市部で広い庭がとれない場合には、ルーフバルコニーのある家をお薦めします。
以下は個人的な意見ですが・・・
最近は木造住宅でも広いルーフバルコニーを作ることが可能になってきたようですが、私はお薦めしておりません。
その理由は、
◆木造は建物の揺れ(層間変位)が大きく、防水の切れ、ひび割れなど、漏水の不具合を起こす可能性があること
◆木造での防水の歴史が浅く、将来的な経年劣化が判らないこと
◆雨漏りした場合、木が腐るなど、構造体への被害が甚大であること
◆歩行音、振動などが下階に響くこと
などです。
下に部屋のない小さなバルコニーであれば、たとえ木が腐ってもバルコニーが崩壊するだけで済むかもしれません。
しかし、漏水したとき家本体に影響があるような大型バルコニーを木造で設置するのは、かなりのリスクがあると思います。
屋上を活用する、ルーフバルコニーのある建物を計画するのであれば、
◇構造は鉄筋コンクリートあるいは重量鉄骨を選ぶ
◇屋上のある物件について経験のある施工会社、設計者を選ぶ
ことをお薦めします。
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家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。
テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】
興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。
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