建築士が考える、失敗しない建築業者の選び方
今回は、建築士が考えるローコスト住宅設計のポイントを挙げていきます。
施工価格を下げるのは「安い工事会社を探す」「施工価格を値切る」ことが大事と思っている方もいるかもしれません。
しかし、建築士としては、その前にまず、設計上の工夫で「工事費が高くならない」建物を目指すことが大切だと考えています。
建築士が考える、設計で建物をローコストにする方法を幾つか以下に挙げていきます。
◇構造形状をシンプル、合理的にする
まず、最初に考えるべきなのが「合理的な構造の建物を目指す」ことです。
元々の構造形状について、その安定性が高ければ、柱も壁も少なくてすみます。
平面形がシンプルになれば、足場や外壁材の費用も下がります。
屋根や外壁の出入りが少なくなれば、施工手間も減りますし、将来のトラブルも減らせます。
また、シンプルな形状は、熱効率の面でも優秀です。
基本設計の段階でも、コストを削減するポイントはたくさんあると思います。
◇窓もシンプルに
現代の住宅において、窓にかかるコストは安くありません。
窓を減らして暗い家を作る必要はありませんが、窓の配置は、採光、換気に有効な位置を選んで設計するようにします。
同じ面積であれば、小さな窓を複数設置するより、大きな窓を少数配置した方が安くなります。
窓の種類でもコストは変わって来ます。引き違い窓が安く、その次は開き窓でしょうか。凝った構造の窓は、当然、高くなります。
窓のコストについては、防火地域、準防火地域では特に効いてきますので(防火設備の窓は高額です)、特に注意が必要です。
◇建具を減らす
内装ドア、収納扉などの室内建具を減らすのもコスト削減に効果的です。
細かい部屋が多く、ドアの数が多ければコストは高くなります。
必要以上に大きな部屋を作る必要はありませんが、細かい部屋に区切りすぎるのは、使い勝手の面からもお薦めできません。
収納についても、コスト優先であれば、あまり作り込みすぎないのが良いですね。
これくらいざっくりとした収納だと、コストも安く、使い勝手も悪くないと思います。
◇こだわりの設備以外は量産品を使う
折角の注文住宅ですから、キッチン、トイレ、お風呂などについては好みのデザインを選びたいですね。
ただ、コストの関係ですべての住宅設備を希望通りの商品で揃えられないこともあるかと思います。
コストダウンを目的として住宅設備の品物を変更する必要がありましたら、代替品として、まず「一番売れている商品」を探して下さい。
住宅設備では、「売れている商品」の方が仕入れ価格が安く、お買い得な場合が多いようです。
写真の部屋はマンスリーマンションの一室です。
マンスリーマンションは収益物件ですので、コスト管理が厳しく、この部屋も高額な住宅設備を使っていません。
(らせん階段でさえ、市販のキット商品です)
高級な住宅設備を使わなくても、色味を揃え、シンプルデザインで纏めれば、安物には見えません。
◇セルフビルドはコストダウンには向きません
セルフビルドは「楽しいからやる」もので、あまりコストダウンには向きません。
これについては、過去のコラムを参考にして下さい。
【参考】セルフビルドの実際【1】テレビや雑誌に惑わされない。
【参考】セルフビルドの実際【2】法的な問題について(確認申請、建築許可)
【参考】セルフビルドの実際【3】建築工事の実務作業、安全性の確保
【参考】セルフビルドの実際【4】それでもやりたい人向け、新築DIYについて。
ローコスト住宅を目指すからといって、「安っぽい家」を作る必要はありません。
外観、内装から無駄な装飾を省き、シンプルなデザインで纏めることでコストを抑えることは可能です。
合理的なローコスト住宅を目指すのでしたら、まず、基本設計の段階から、コストを意識して計画することが大事だと思います。
◇ ◇ ◇
家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。
テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】
興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。
◇ ◇ ◇
家つくり、土地探しなど、住宅に関すること、何でも御相談下さい。
こちらからお問い合わせ下さい
メールの方は、こちらから【匿名でのお問い合わせでも構いません】
infomation@revontulet.jp
土地がある人、土地を探している人、ハウスメーカーの家に飽き足らない人・・・何でもお気軽に御相談ください(御相談内容の守秘義務は厳守します)。