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高級マンションの部屋がいまひとつな理由

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:神戸、芦屋、西宮で家を建てる

高級マンションのモデルルーム、オープンルームを見たときに、いつも気になる点があるので、こんなコラムを書いてみました。


・・・今回、高級マンションの悪口を言いたい訳ではありませんが、一部、悪口に聞こえる部分もあるかもしれませんので、最初に「高級マンションの素晴らしさ」について書いておきます。


◇資産価値

「タワーマンションの固定資産税問題」でも明らかになったように、超高級マンション、高層マンション最上階などの部屋は、資産活用物件として優秀です。

また、同額程度の戸建て高級住宅に比べ、賃貸物件としての運用、転売のし易さなどにも優位点があり、不動産を資産物件としてみた場合、理想的な形と言えるかもしれません。


◇眺望と立地

都会における眺望、立地は高層、高級マンションが有利です。

都心にこれだけの住居スペースを確保する場合、マンション物件以外、ほぼ考えられません。

神戸の風景

私が高級・高層マンションの部屋で違和感を感じるのは、まず「玄関の閉塞感」です。


高級マンションの多くは、廊下部分も内廊下になっていて天井もやや低く、高級感を演出するためか照明も抑えられていることが多いようです。

そこからドアを開けて部屋に入るのですが、その玄関が大抵、狭く、暗い。

昼も暗い廊下から部屋に入るのですから、ここは開放感のある玄関を望みたいのですが、間取りの都合上なのか、どうしても天井が低く、外光の入らない、廊下と同じような空間になっています。

シューズボックスやニッチなど、インテリアについては高級感があるのですが、一番最初に入る場所、玄関に開放感がないというのは、非常に残念な気がします。


そして、玄関の次に明るいリビングに入ります。

高級マンションでは、このリビングが広く、広い窓からの眺望も素晴らしい。

暗めの玄関から視界が一気に広がるリビングへの演出性は素晴らしいのですが、残念なのは天井が低いことです。

部屋の広さと天井の高さにはある程度のバランスが必要だと思うのですが、どうしても部屋が広い分、天井が低く見えてしまいます。

また、高級感を演出するためには照明器具などにも気を配りたいところですが、絶対的な天井高が低い部屋では、照明器具の選択肢も限られてきます。


更にマンション内の各部屋を見てまわって感じるのは、部屋が単調にみえることです。

インテリアは凝っていますし、部屋の作りも良く出来ています。

しかし、広いマンション内をあちこち見てまわっても、あまりイメージが変わりません。

戸建て住宅の場合、部屋によって見える外の風景が変わりますし、天井高も窓の位置も光の入り方も変わってきます。

それに比べると、マンションの視線は水平方向で、外の風景も角部屋でも2方向程度。高層階では「屋外」の要素もありませんし、どうしても単調になってしまいます。

広いバルコニーやルーフテラス、植物の配置などを使えばもう少し楽しい空間が作られるのかもしれませんが、高層マンションではそれもなかなか難しいのでしょう。


リビング

エントランスホール

地価が高く、平野の広い東京圏であれば、眺望の良い部屋は高級・高層マンションしか選択肢はありません。

しかし、都市部と山が隣接している関西であれば、戸建て住宅でも眺望の良い、開放感のある家を建てることが出来ます。

都心の高層マンションの最上階、環境の良い住宅地の高台に立つ戸建て住宅。どちらも魅力的な物件です。

住宅を探している方は、資産価値を重視するのか、家としての魅力を優先するのか、このあたりのことも考えて頂ければと思います。


  ◇ ◇ ◇


家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。

テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】

興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。


 ◇ ◇ ◇


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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

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