変形地、旗竿地、傾斜地、雛壇地、高低差のある土地は安い?買い得?【はじめに】
家を建てるための土地探しについては、今までも何度が書いてきました。
建築士がおすすめする土地探し
土地探し
今回は、実際に土地探しを行うとき、失敗しないための注意点、チェックポイントなどについて、具体的に書いていきます。
インターネットで物件情報をチェックするとき、現地を案内して貰うときに、確認して下さい。
まず最初に現地で確認して欲しいことについて、書いていきます。
◇土地の境界ポイントははっきりしているか?土地の測量データは揃っているか?
インターネットの不動産情報で土地物件を探す場合、まずチェックするのは物件の場所と値段、そして土地の面積と形ではないでしょうか。
不動産物件情報は必ず土地の面積が記載され、また殆どすべての物件に地図が付いていると思います。
不動産会社によっては、土地の登記情報、公図などを見せて貰うこともあるでしょう。
普通の人の常識的な判断としては、
「不動産会社から渡される図面なのだから、きっと正確なのだろう」
「まさか不正確な土地面積で、売買契約が行われる筈がない」
と考えるかもしれません。
しかし、実際には不動産会社から渡される土地の図面が正確であるとは限りません。
それどころか、物件によっては隣の家との境界さえ、はっきりしていない場合もあります。
※土地の売り物件で隣地との境界がはっきりしない例。境界ポイントも図面もないので、どこが境界線か判りません。
物件資料の中に図面がある場合でも、それが正確な測量図面でない場合には、実際の土地面積と異なっている場合もあります。
売買契約書に「現況渡し」という条件がある場合、その土地の形状、広さについて売り主の責任が問えない場合が殆どです。
このような場合、土地の広さ、寸法については、基本的にすべて買い主の責任になるのです。
実際の土地の広さはどうなっているのか、境界ポイントがはっきりしているのか、測量図はあるのか、このあたりはしっかりと確認しておいて下さい。
◇上水道、下水道など、ライフラインの確認
住宅地として売りに出されている土地ですから、通常、上水道、下水道については、既に引き込まれている場合が多いと思います。
特に、今まで家が建っていた土地に建て替えを行う場合、まず、以前の上水道設備がそのまま使えると思う方が多いでしょう。
既にある上下水道をそのまま利用出来れば、当然、余計な工事費がかからず、施工価格を抑えることが出来ます。
しかし実際には、今まで使っていた上水道、下水道がそのまま使えないという場合も少なくありません。
たとえば、古い住宅地の場合、引き込んでみる上水道の管径が細く、新築住宅ではそのまま使えない場合があります。
(昔の住宅:管径13mmが主流 現在の住宅:管径20mmが主流)
更に古い住宅の場合、水道管自体が古く(鉛管)、本管からすべて引き直しになる可能性もあります。
※既存住宅の水道管が鉛管だった例。このような場合、建て主負担で水道管の引き直しになってしまいます。
下水管についても、古いもの、最近使っていなかったものについては、内部が詰まっていたりして、そのまま使えないものもあります。
これも場合によっては「引き直し工事」が必要になります。
上下水道とも、新築に伴う管の引き直し工事の費用については、原則、施主が負担すことになります。
工事が自分の敷地内だけで済めばまだそんなに大きな金額にはなりませんが、前面道路を掘削し、本管からの引き直しを行う場合、工事の許可や交通規制なども必要になり、かなりの費用、時間がかかります。
上下水道については絶対に必要なものですので、ちゃんと使えるのか、引き直す場合どれくらいの費用がかかるのか、確認しておいた方が良いと思います。
◇擁壁、掘り込み駐車場のチェック
敷地内に古い擁壁、掘り込みガレージなどがある土地も、要チェックです。
これについては「今まで住宅が建っていたところなんだから、同じようにそのまま家が建てられる筈」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、家を新築する場合の審査では、基本的に「敷地内にあるすべての構造物」についてチェックされます。
特に、「新築する建物に影響を与える可能性のある構造物」については、その安全性を証明しなければなりません。
既存の古い擁壁、掘り込みガレージでも、新たに住宅を建てても安全性に問題が無いことが証明できれば、そのまま利用することが出来ます。
しかし、古い擁壁や掘り込み駐車場の構造図面、計算書などが残っていることは稀、安全性を証明することはかなり困難な作業となります。
これらの構造物について安全性が証明出来ない場合、新築住宅の計画にはかなり大きな制約が生じることになるのです。
※古い掘り込み駐車場のある住宅地。何らかの対策をしないと、ここにそのまま家を建てることは出来ません。
敷地内にある擁壁、土留め、掘り込み駐車場などある場合、次の住宅建築に影響を及ぼさないかについては、慎重に調べておく必要があります。
その他、土地の現地状況確認では、「地中埋設物」「樹木やブロック塀の越境」などについても注意が必要です。
土地の購入を検討するときには、インターネット上の不動産情報、不動産会社から渡された物件資料だけでなく、必ず現地を確認し、リスクや問題点をチェックしてみてください。
もし疑問点、不明点などがありましたら、売り主側不動産会社の言い分を鵜呑みにすることなく(基本的に売り主側不動産会社さんは売り主の味方です)、あなたの依頼した買い主側の不動産仲介会社に問い合わせてみて下さい。
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家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。
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