土地探しで失敗しないために注意して欲しいこと【現地調査】
今回のテーマは、道路との高低差のある土地、下の図のようないわゆる雛壇地についてです。
阪神間は昔から山を造成して住宅地としてきた土地柄ですから、このような住宅地も多く取引されています。
特に神戸、芦屋、西宮のエリアで人気のある高級住宅地の多くは、このような雛壇地になっています。
雛壇造成地は、陽当たりや眺望が良い南側にひらけた土地が多いので、今も人気があります。
雛壇地については、元々家が建っていた土地が殆どなので、購入後、問題なく家が建てられると考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、雛壇を支える擁壁次第で、そのまま家を建てられない、あるいは家を建てる場所が限られる物件も多くあります。
家を建築するには、その地盤が安全であることを確認する必要があります。
敷地に擁壁がある場合、その安全性を証明出来ない限り、擁壁に家の荷重が掛からない位置にしか家を建てられません。
古い擁壁をそのままにして家を建てようとするなら、上記の図のような位置にしか建てられない可能性があるのです。
勿論、ちゃんと構造計算された頑丈な擁壁を新たに作れば、今まで通りの位置に家を建てることは可能です。
しかし当然ながら、その分の工事費は高くつきます。
雛壇地が安く購入出来ても、擁壁工事の上乗せ分を考えたら「お得とはいえない」どころか「かえって高くつく」可能性もあります。
このような雛壇地への新築工事では、「土留め擁壁と家を一体で設計する」という方法もあります。
上記のような設計方法がつかえれば工事費も安くなり、「雛壇地がお買い得」となるかもしれません。
雛壇地への家の新築については、「宅地造成等規制法」などによる法規制の他、自治体や確認申請審査機関の安全審査もあり、一筋縄ではいかない部分も多くあります。
具体的に購入を検討する場合、その価値判断を売り主の不動産屋さん任せにするのはリスクが伴います。
建築士や工事に慣れた工務店などに相談した上で、「どんな家を」「どうやって建てるのか」をはっきりさせてから購入の判断をした方が良いと思います。
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