全面リフォームは安くない。「新築そっくりさん」も安くありません。
これは「新」常識といって良いのか判りませんが、法律上「構造の安全性をチェックしていない家は建てられません」。
昔は、在来工法と呼ばれる木造住宅、いわゆる大工さんが建てる家については、「棟梁の勘と経験」で建てられてきました。
このような場合、丈夫な家かどうかは棟梁の腕次第、腕の良い大工さんた建てた家は安心できる・・・そういう時代だったと思います。
しかし、現在の住宅では、在来木造住宅でも、構造安全性のチェックは必須になりました。
設計段階で耐震壁、筋交いをバランス良く配置し、土台と基礎をしっかりと固定、柱の引き対策をして・・・という構造安全性のチェックを行わないと家は建てられません。
現在の住宅において、設計段階で構造安全性を確保することは、必須事項です。
「昔の家は、そんなことしなくても大丈夫だった」という人もいるかもしれません。
「計算なんかしなくても、腕の良い大工が手をかけて作れば大丈夫」と考える人もいるでしょう。
しかし、何度かの震災被害を経て、被害状況の分析を行い、その結果として現在の構造安全性への知見が得られたのです。
過去の経験も大事ですが、新たに得られた安全への知識も生かした上で家を建てるべきでしょう。
昔の住宅でも何百年と保っている家もあります。
しかし、そんな家は、建てられた家の中のごく一部です。
「たくさんの家が壊れ、無くなった」結果、「現在建っている、残りの一部」なのですから、今建っている家をみて、そのままその時代の構造が正しかったということは出来ません。
私は、昔の大工さん、棟梁の技術には敬意をもっています。
法隆寺の建築構造には刮目すべき点も多くありますし、あの建物を支えてきた専門家集団の技術伝承も貴重な日本の文化だと思っています。
しかし、どんなことについても「昔の建築方法が正しい」という考え方では、安全性を損なうと考えています。
過去に幾つもの震災をみてきた結果として今の建築技術、構造計算があるのですから、それを生かして家を建てるべきでしょう。
現在の建築物の安全性の考え方としては、木造2階建て住宅でも「構造安全性をチェックする」ことが基本・常識なのだと考えて下さい。
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