自分で家を建てたい人、セルフビルドの実際【2】法的な問題について(確認申請、建築許可)

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:住宅

今回は、自分で家を建ててみたい人が、まず解決すべき法律問題について書いてきます。


【以前のコラム】
【1】テレビや雑誌に惑わされない。


セルフビルドを考えている人のなかには、

「自分の土地に自分の資金で自分の家を建てるのに、文句を言われる筋合いがあるのか」

・・・と、不満に思う人もいるかもしれません。


しかし実際には、日本で家を建てるのには、いろいろな法的な手続き、許認可が必要になります。


まず、家を建てる土地についてです。


たとえ自分のものでも、自由に家を建てられない土地というものがあります。

たとえば、

・市街化調整区域
・農地
・工業専用地域

などに指定されている場合です。

場所によっては、「地区計画」などで建築に制限のある場合もあります。

その土地に家が建てられるのか、どれくらいの大きさの家が建てられるのか、これについては、実際に役所に足を運んで調べる必要があります。



次に建築確認申請についてです。

確認申請というのは、簡単にいうと「家を建てる許可」のようなものです。

住宅を建てる場合、殆どすべての家でこれが必要になります。

確認申請について、昔は、建築主が自分で申請書類を作成し、許可をとる人もいました。

しかし、現在、建築の専門家以外が確認申請書類一式を揃えるのは、ほぼ不可能になったと思います。

たとえば、いくら事務書類を書くことに精通していたとしても、「構造上の安全性」や「地盤の安全性」の証明をすることは、専門家でないと難しいでしょう。

その他、家を完成させるまでには「工事監理」や「完了検査」も必要ですが、これも専門家でないと、まず無理だと思います。

「確認申請」「工事監理」「完了検査」・・・このあたりはちゃんとしたプロにお願いするのが正解だと思います。


確認申請や完了検査は、住宅ローンや火災保険、地震保険でも必要になってきます。

また家を転売、増築するときも、必要です。

確認申請

自分で家を建てる人にとって、最初の難関は、この法律問題、確認申請問題でしょう。

セルフビルドを計画している人は、まず、この法的問題をどうクリアするか、考えておかなくてはいけません。

自分で徹底的に勉強する(出来れば資格を取得する)か、専門家にお願いするか・・・ここが最初の関門ですね。


◆関連コラム◆

自分で家を建てたい人、セルフビルドの実際

【1】テレビや雑誌に惑わされない。

【3】建築工事の実務作業、安全性の確保

【4】それでもやりたい人向け、新築DIYについて。

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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士、コンクリート診断士、マンション管理士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

浅井知彦プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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