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高低差のある住宅地、傾斜地に家を建てる方法(傾斜地を購入するとき注意すること)

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:神戸、芦屋、西宮で家を建てる

今回から2回にわたって住宅敷地に高低差がある、いわゆる傾斜地の住宅地を購入して家を建てるときに気を付けて欲しいことを書いていきます。

第一回は、傾斜地の住宅地を購入するときの注意点についてです。

神戸の住宅地遠景

神戸、芦屋、西宮などの阪神間、北摂など、関西の住宅地で住環境がよい、人気のある地域の多くは山手にあります。

「山手」ですから、当然、背後には山が控えており、敷地は雛壇状に造成されたところが多くなります。

坂道の上り下りは大変ですが、環境は良く、陽当たりも眺めも素晴らしい。

魅力的な住宅地です。


このような土地を購入して家を建てるとき、気を付けるべきことは何でしょうか?

まず、最初に確認しておきたいのは「昔に造成した擁壁のあるか?」です。

このような土地で家の建て替えを行うとき、多くの場合擁壁の存在が家を作るときのネックになります。


以下、細かい話になりますが・・・

擁壁(高さ2mを超えるもの)がある場合、その安全性を証明出来ないと建築許可は下りません。

安全性の証明とは、

  ◇新しい家の建築によって、擁壁に全く荷重が掛からないことを証明すること

あるいは、

  ◇擁壁自体の構造的安全性が証明出来ること

です。

前者の場合、家は擁壁からかなり離して建てる必要があります。

前に家が建っていた場合でも、新しい家は擁壁から後退する必要があるため、小さな家になる可能性があります。

後者の場合は、さらに困難です。

一般的に、昔に作られた擁壁は構造仕様書、計算書が残っていません。

強度などを証明することは、ほぼ不可能です。

結局、擁壁を作り直す必要があります。

2mを超える高さの擁壁は、作り替えると多額の金額が掛かります。

敷地が広ければ、擁壁工事だけで1千万円以上かかることも珍しくありません。

※このような場合は「土地の掘削、基礎、建物を一体的に設計することでコストダウンする」という方法が有効なのですが、これは次回に書きます。
【第二回 高低差のある住宅地、傾斜地に家を建てる(家を安全に、安く建てるポイント) 】
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/36896/

擁壁

次に、こういう状況を踏まえた上で、傾斜地を購入するときのリスクや損得勘定について、考えてみます。

・・・ぶっちゃけていえば「傾斜地を買うのは損か得か?」についてです。

これについては「土地の専門家」や「建築の専門家」でないと、まず判断出来ません。

傾斜地を購入して家を建てる場合、その土地に望みの家を建てるとしたら幾らくらい掛かるのか?

建築予算については「どんな家を建てたいか」という要望を伝えた上で、建築士に相談してみて下さい。

どんな家を建てたいのかが判れば、概算は調べられると思います。


そして、その住宅地が相場と比べて高いのか安いのかについては、不動産会社の専門家に聞いてみて下さい。

注意して欲しいのは、ここでいう「不動産の専門家」とは、土地を売っている不動産会社の担当者では無いことです。

必ず、購入者である「あなたの代理人」となる不動産会社、担当者を見つけた上で、その土地の価値を判断して貰って下さい。

※土地探しについては、こちらを参考にして下さい。

【参考】神戸の建築士から関西で家を建てたいと思っている人へのアドバイス【2】土地購入編
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/24314/

【参考】建築士がおすすめする土地探し
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/31882/

【参考】利害関係の反する人を相談相手にしない
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/25941/

傾斜地を購入するときのリスク、損得勘定は、購入後にどんな使い方をするのかによって変わってきます。

まず、その土地の値段が妥当なのか、相場価格を調べましょう。

そして、そこにどんな家が建てられるのか、購入前に想定しておきましょう。

この2点はは、是非、専門家を交えて、判断して下さい。

傾斜地でも、それをうまく生かす家つくりが出来るのなら、購入しても損はしないと思います。


是非、充分に調査してから、購入するようにして下さい。


◆ 関連コラム / 目次 ◆

神戸、芦屋、西宮で建築士と注文住宅を建てる(光熱費を安く、冬を暖かく過ごす家)
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/32904/

神戸、芦屋、西宮で建築士と注文住宅を建てる(光熱費のかからない家/スマートハウス)
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/32991/

家を建てるのに安全、安心な土地とは
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/35727/

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http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/34823/

建築事務所と家を建てるメリット
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/31068/

マンションと戸建て住宅、どちらを選ぶ
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/26658/
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/26683/

   ◇ ◇ ◇

家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。

テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/25680/

興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。


 ◇ ◇ ◇


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浅井知彦
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浅井知彦(一級建築士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

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