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浅井知彦

コンクリート住宅設計のプロ

浅井知彦(あさいともひこ) / 一級建築士

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

コラム

光と風を取り込む家を作る方法【神戸、芦屋、西宮で建築士と注文住宅を建てる】

2013年4月30日 公開 / 2020年5月12日更新

テーマ:神戸、芦屋、西宮で家を建てる

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 注文住宅

今回は、光と風を取り込む家について、です。

気候については地域に関わる部分があるので、神戸、芦屋、西宮を中心に、主に関西地方を対象にした話になります。


四季のある日本で、どのような家を建てるべきか。

徒然草の一節の中に、

「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。」

という有名な一文があります。

今は兼好法師の時代とは違い、冷暖房もガラスも断熱材もありますから、この通りでは無いのかもしれません。

しかし、個人的な思いとして、可能な限り風の通る、光の入る家を作りたいと考えています。

出窓

「光や風の通る家を目指すのは当然じゃないのか」と思う人もいるかもしれません。

しかし、このあたりの考え方は、建築士やハウスメーカーによって異なる点なのです。

住宅展示場に行くと「24時間冷暖房」という家があります。

24時間冷暖房=窓を開けない家です。

設計者によっては、「換気は換気扇で計画的に行った方が良い」「窓を開けない方が、埃や花粉が入らず健康的」という考えの人もいます。

「外気温に左右されない24時間冷暖房システムが快適」という考えの設計者、住宅メーカーもあります。


私は、それとは違い「可能な限り光と風を取り込みたい」派です。

それは、光の入る部屋、風の抜ける空間が気持ち良い場所だと考えるからです。

特に春と秋、外が快適な季節には、出来れば風の通る部屋で過ごしたいと考えています。


寒さの厳しい地方では、風通しを考えるより、密閉性の高い家の方が良いのかもしれません。

しかし、神戸芦屋西宮あたり、阪神間、関西地方では、風通しの良い部屋が快適ではないでしょうか。

たとえ真夏でも、風が抜けていれば、結構快適に過ごせるものです。
(真夏の大阪は風が止まるので、流石に厳しいですが・・・)


光の通る階段
※階段の隙間。光が入るだけでなく、圧迫感も減らしてくれます。


光も同様です。

「冷暖房を駆使して部屋の温度を一定に保つ」という目的だけなら、直射日光は邪魔な存在かもしれません。

「紫外線で室内のモノが変色するので光を入れたくない」という考え方もあります。

でも、陽の入る部屋は明るく、快適です。

真夏を除いて、窓からは明るい光が入る場所が、快適だと私は感じます。

芸術論としての「陰翳礼讃」は判りますが、やはり自分が住むのなら「明るい家」の方を選びます。


「24時間冷暖房で閉め切った家にしない」「光と風を取り込みたい」これが私の設計方針です。

しかし実際に家を建てるエリア、神戸芦屋西宮あたり、阪神間、関西地方は都会であり、住宅密集地が多く、敷地に余裕はありません。

設計を工夫しないと、光も風も入ってきません。

どのように設計するのか・・・これはそれぞれの建築地、敷地や周辺状況に合わせて考えるので一概には言えませんが、基本方針は「3次元的に考え、工夫する」ことです。

【参考】3階建のメリット
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/34821/


窓の位置について、平面的だけでなく、高さ方向の位置、サイズも検討します。

風を通すための吹き抜けも検討します。

吹き抜けは、うまく工夫すれば光を下の階に落とす効果もあります。

天窓を採用することもあります。

部屋の床面高さも、一から考えていきます。

1階2階という固定概念にとらわれず、必要であれば1.5階やスキップフロアも採用します。

ビルトインガレージや半地下を検討することもあります。
(傾斜地ではビルトインガレージや半地下が有効です)

【参考】ビルトインガレージ/屋外収納
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/33398/

土地が狭ければ、屋上の利用も考えます。

【参考】屋上緑化/屋上庭園のある家を作りませんか?
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/27455/


明るい玄関
※玄関の上部に光を落とす吹き抜けを設ける。
※陽の入る、明るい玄関になりました。


土地が広く、平坦で、隣家も気にならない、陽当たりも風通しも抜群な土地に建てるのでしたら、ハウスメーカーのオススメプランでも、充分に「光と風」を取り込めるのかもしれません。

しかし、都会では、そういうすべてに恵まれた住宅地というのはほとんどありません。

光と風を取り込む家を設計するには、工夫が必要です。


すべての部屋に光と風を入れるのは難しいかもしれませんが、可能な限り光と風を取り込みたいというのが、私の基本的な設計方針です。


◆ 関連コラム / 目次 ◆

神戸、芦屋、西宮で建築士と注文住宅を建てる(光熱費を安く、冬を暖かく過ごす家)
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/32904/

神戸、芦屋、西宮で建築士と注文住宅を建てる(光熱費のかからない家/スマートハウス)
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/32991/

家を建てるのに安全、安心な土地とは
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/35727/

設計事務所の提案する3階建住宅
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/34823/

建築事務所と家を建てるメリット
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/31068/

マンションと戸建て住宅、どちらを選ぶ
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/26658/
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/26683/

   ◇ ◇ ◇

家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。

テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/25680/

興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。


 ◇ ◇ ◇


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