キッチン選びで注意して欲しいこと【神戸、芦屋、西宮で建築士と注文住宅を建てる】

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:キッチン

モデルハウスやショールームでみると、スタイリッシュなリビング・ダイニングのインテリアを数多く見ることが出来ます。

開放的なデザイン、カッコイイ収納など、魅力的なものがいっぱいです。

しかし、その中には見た目は良いけど実際には使えない、使ってみると大変なキッチンも多くあります。

今回は、キッチンの設計で注意して欲しいことを書いていきます。

こんなキッチンは要注意です。


◆高い天井に要注意。

調理中の空気は、上にあがっていきます。

当然、臭いも一緒に上にあがっていきます。

その臭いがレンジフードですべて外に出せればいいのですが、残念ながら取り逃がすことも多いようです。

特に問題になるのがダイニングキッチンの天井が高い場合。臭いが天井付近に溜まり、なかなか抜けなくなります。

揚げ物や焼き魚、焼き肉の臭いがいつまでも残るリビングは嫌ですよね。

キッチンやリビングの天井が高い場合は、天井付近の空気を入れ換えるための換気扇、あるいは窓があると良いでしょう。

窓や換気扇は、なるべく天井付近に設置するようにします。

これらの換気設備は、熱い空気が溜まりやすい夏場の換気にも有効です。

天井が高い場合には、設置を検討してみてください。


◆アイランドキッチン、要注意。

この場合のアイランドキッチンとは、コンロも含めたキッチン部分が、ぐるりを回れるような配置になったものです。

アイランドキッチン
※アイランド型の例。写真はレンジフードメーカー、富士電機の製品です。

このような形の場合、キッチンは壁に付いていないのですから、レンジフードは天井から釣り下げる形になります。

このような形のレンジフードは、廻りの空気を吸い込みやすく、どうしても料理のときに出る空気の吸い込みが甘くなります。

結果として、料理のときに出る臭いが部屋に広がることになりがちです。

オープンなキッチンで釣り下げ式のレンジフードを採用するときは、臭いが広がらないよう、換気計画を慎重に考えてください。


◆見せる収納に要注意

カウンター式のお店などでよくある「見せる収納」ですが、これは当然、モノに埃がつきます。

フライパンや鍋など、頻繁に使う調理器具などはともかく、使用頻度の低いものは、使う前にいちいち洗う手間が出てきます。

特にグラスなど、ガラス製品は要注意。見た目にも埃が付きます。

見せる収納を使うのでしたら、頻繁に食器を洗う覚悟が必要です。


◆手元を隠す?見せる?

カタログをみると天板の上には何も置かれておらず、スッキリとしたキッチンの写真が出てきます。

・・・でも実際に使うとなると、モノを何処に置けばいいのでしょうか?

濡れた布巾はどこで乾かすのか、濡れたまな板はどこにおくのか・・・

毎日使うキッチンですから、上に何も置かれていない状態を保つのは、すごく難しいと思います。

確かに、スッキリと何もおかないキッチンは、見た目に凄く綺麗です。

でも、実用性を考えれば、なかなか困難です。

そういうときは、手元を隠すタイプのキッチンも良いかもしれません。

キッチン選びで注意して貰いたいこと
※少しだけ手元を隠すタイプのキッチンの例。


キッチンは実用品です。

デザインも気になりますが、最終的には使い勝手が良いかどうかが重要だと思います。


・・・最後にもう一つだけ。

家をたてるとき、「家事を全くしない建築士」は要注意です。

キッチンが「実用品」であるのと同じように、家も「実用的」であるのなら、家事を全くしない設計者が考えた家は要注意といえるのではないでしょうか。

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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士、コンクリート診断士、マンション管理士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

浅井知彦プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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