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地下室のある住宅/費用・効果・注意点・問題点とは?【神戸、芦屋、西宮で建築士と注文住宅を建てる】

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:神戸、芦屋、西宮で家を建てる

今回は地下室、半地下室についてです。

六甲山系と海に挟まれた神戸市内や芦屋、西宮で家を建てる場合、その住宅地はどうしても隣地との高低差のある土地や傾斜地などが多くなってしまいます。

これらの土地を上手く利用して家を建てるため、地下室、半地下室を作るメリット、デメリットを考えてみます。

【参考】高低差のある住宅地、傾斜地に家を建てる方法(傾斜地を購入するとき注意すること)

【参考】高低差のある住宅地、傾斜地で家を安全に、安く建てるポイント

【参考】変形地に家を建てる方法

半地下室
※半地下に作られた和室

まず最初に地下室、半地下室のメリットから挙げていきます。


◇容積率制限、高さ制限に対して有利

一定の基準を満たした地下室は、容積率の計算に算入されません。

これは容積率の制限が厳しい場合には、大きなメリットです。

※ただし、容積率に算入されない地下室は、結構深く地面に埋まっているので、広い窓は取れなくなります。

 このあたりは、実際の土地にプランニングを行いながら検討してください。

もうひとつ、住宅地に建築物の高さ制限の有る場合、一階の床面を地盤面より下げることで、高さ方向の利用空間を拡げることが出来ます。

実際、ハウスメーカーのプランでは2階建しか建てられない場所に、半地下の鉄筋コンクリート住宅なら3階建が建てられることがあります。


◇防音、遮音性能に優れている。

防音性が高いので楽器を演奏する部屋、オーディオルームを設置する部屋などに最適です。

また、外部からの音も入りにくいので、静かなスペースが作れます。


◇温度変化があまりない

地下は外気温の影響を受けにくいため、温度変化が少なくなります。

結果として、夏涼しく、冬暖かい部屋になります。


次にデメリットについてです。


◇建築費用が高くなる

地下の建築には土地の掘削を伴いますので、どうしても建築費用は高くなります。

安くて100~200万円、掘削の範囲が広く、深くなれば1000万円近く施工費アップになることもあります。
(傾斜地などで、基礎工事と上手く絡めて施工すれば、安く上がる可能性があります)


◇空気がこもりやすい

換気を充分に行わないと、カビなどが発生する可能性があります。

換気扇は勿論ですが、風が抜けるよう開放できる窓をなるべく広めに設けるようにしてください。

広い窓は、採光にも有効です。


◇水の利用に注意

上水道は水圧があるので、家中どこにでも引き込めますが、排水は傾斜がないと流れません。

従って、深く掘り込んだ地下室では、基本的に水は使えなくなると思ってください。
(どうしても地下にシャワー室やトイレを設けたい場合は、下水道の深さのチェックなど、排水について充分な検討が必要です)

また、半地下部分を駐車場にする場合、外部から雨水が入り込む可能性がありますので、そのための排水経路も考えておく必要があります。

半地下室施工状況

これらを踏まえた上で、家を建てるとき、地下室、半地下室の検討をおすすめする住宅地を挙げてきます。

まず、傾斜地。あるいは道路より住宅地が高い位置にある場合。

元々、基礎工事を行うために掘削が必要なのですから、その部分を利用して地下、半地下の空間を作ることができます。

もうひとつ、高さ規制が厳しい場所で、なるべく広い家を建てたい場合。

1階の床面を下げることで、広い室内空間をとることができます。

2階建しか無理と言われた土地に、3階建を建てることも可能になるかもしれません。


地下、半地下の家を計画する場合、構造は鉄筋コンクリートをオススメします。

地上部分をどんな構造で建てるにしても、地面に接している部分、地下になる部分は、必ず鉄筋コンクリートで作ります。

そうすると、家の上部を木造で計画したとしても、全体として混構造となり、設計費用、施工費用とも割高になる可能性があります。

この場合、最初から全体を鉄筋コンクリートで設計する方が、合理的だと思います。

【参考】鉄筋コンクリート住宅を建てる

【参考】鉄筋コンクリート住宅が都会向きの構造である理由

【参考】過去に地震で倒壊したことのない住宅構造

【参考】鉄筋コンクリート住宅の建築コスト


余談ですが・・・

ハウスメーカーの家は、平面図のプランニングはある程度できますが、上下方向(高さ)の自由度が全く無いんですよね。

結果として、傾斜地、変形地などでは建てられる家の自由度が少なくなってしまいます。

ある程度の広さがあり、真っ平らな住宅地だとハウスメーカーも良いんですが、都市部が多く、山と海に挟まれた神戸、芦屋、西宮あたりでは、そういう土地は少ない気がします・・・

ハウスメーカーも3次元的にプランニング出来るようになると、もっと自由度が高くなるのですが・・・難しいのでしょうね。


 ◇ ◇ ◇


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   ◇ ◇ ◇

家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。

テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】
http://mbp-japan.com/hyogo/revontulet/column/25680/

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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

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