リビングバルコニー、ルーフバルコニー、屋上のある家を設計します
「屋上緑化の実際」についてのコラム、第三回です。
第一回、第二回はこちらです。
屋上緑化、導入の効果・費用・注意点・問題点とは?【効果について】
屋上緑化、導入の効果・費用・注意点・問題点とは?【費用について】
今回は屋上緑化を行う上で注意することについて、お話しします。
屋上に土を入れて植物を育てることに対して、誰もが心配するリスクは、なんといっても「雨漏りしないか?」ではないでしょうか。
屋上で植物を育てる=屋上に水を撒くということですから、もし防水層が破損してしまえば、雨漏りが起こることになります。
植物が成長するにつれて根が伸びること、人が屋上を歩くことで防水層が破損すること・・・心配事は尽きないかもしれません。
これらの不測の事態にどのように対応するか・・・その解決方法は、まず、建物の構造自体を水に強いものにすることだと思います。
水に強い建物といえば、まず、鉄筋コンクリート構造です。
コンクリート事態は、水に濡れても強度も耐久性も下がりませんし(むしろ、強度、耐久性ともに上がります)、コンクリートの屋上床は、それ自体に防水性があります。
強度が強いので地震などで揺れる大きさも小さいので、地震で防水層が破損する可能性も低くなります。
その次は、鉄骨構造でしょうか。
特に、床にデッキプレートなどを使った鉄骨建物では、床自体に防水性があるので、万が一の漏水にも安心です。
木造の場合は・・・残念ながら、水がかかると木が腐食する危険があります。
この場合は、しっかりとした防水計画を行い、屋上緑化した後も、定期的に漏水していないか点検する必要があるでしょう。
次の心配事は、「屋上に重いモノを置いて、地震のとき大丈夫?」ということかもしれません。
これは、設計時にきちんとした構造計算を行えば大丈夫です。
たとえば、うちの事務所では、どのような計画で屋上緑化を行うのか設計時に話をして貰えれば、それに合わせた構造計算を行います。
(屋上緑化で使う土などは、専用の軽量タイプをおすすめします)
事前にキッチリとした設計をしておけば、地震時にも安心です。
その他の心配事としては、たとえば以下のようなものでしょうか。
◆屋上でもちゃんと水道が使えるのか?
→ 最近は、水道の水圧が高いので、阪神間のほとんどの地域で大丈夫でしょう。
(神戸市は、ほぼ全域、5階くらいまで直接給水可能です)
◆排水は大丈夫?
→ 屋上の排水口は、どうしても落ち葉やゴミなどで詰まる可能性があります。
なるべく詰まりにくい排水口を用意すること、点検、掃除が出来るようにすること、万が一の場合に対する予備の排水口も検討すること・・・このような対応で排水口の詰まりに対処します。
その他、屋上緑化に関して疑問点などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。



