鉄筋コンクリート住宅を建てる【1】はじめに

これから何回かにわたって、鉄筋コンクリート住宅についてのお話を書いていこうと思います。

【1】はじめに（※このページです）

【2】鉄筋コンクリート住宅は都会向きです

【3】地震で倒壊したことのない住宅

【4】鉄筋コンクリート住宅の建築コスト

建物のメンテナンス、耐久性についても触れると思いますので、鉄筋コンクリート造に興味がある人だけでなく、これから家を建てようとする人みんなに役立つ情報となる予定です。


まず最初に、コンクリート住宅についてのコラムを書こうと思った理由から。

私は、現在、神戸市内で建築設計事務所をやっている建築士ですが、元々は大学を卒業した後、コンクリートの研究をしているメーカーの研究所に勤務していました。

主に研究所勤務のサラリーマンを10年やって退職。建築設計事務所に転職した後、独立という経歴です。

建築士をなる前、研究職時代は建築学会などに出入りして、コンクリート構造物についての研究内容を見聞きしてきました。

たまに発表もしてました。

一応、専門家と言っても良いと思います。


一般に建築設計の専門家は、コンクリートという建築材料に詳しくありません。

日本では、モダンデザインとして有名建築家の作品の多くが鉄筋コンクリートで作られています。

しかし、コンクリートという素材がどういうものなのか、その特性をちゃんと考えている、理解している人は少ないように思います。



私は、建築の素材や構造は、住宅の形や用途に合わせて最適なものを選ぶべきだと考えています。

木造には木造の良さがあり、鉄骨造には鉄骨造の良さがあります。

鉄筋コンクリートにはコンクリートの良さ、たとえば気密性や耐久性、強度面などで有利なところがあります。

家作りには、それらの特長を生かし、最適な構造、材料を選べば良いと思います。


私は、広い敷地のとれない都市部の住宅（神戸、阪神間、北摂あたりはそういう土地が多いかと思います）には、鉄筋コンクリート住宅が適しているのではないかと考えています。

コンクリートのもつ特長「水に強い」「剛性が高い」「気密性が高い」は、都会の住宅に求められる性能に最適ではないかと考えています。