どうなる?介護保険制度改正2015 【訪問介護編】
どうなる?訪問介護の要支援者サービス
今回は、生活支援者サービスの実施方法、基準についてお伝えいたします。
先般お伝えしました通り、訪問型サービスが訪問介護事業の枠組みとなり
訪問型サービスとして以下のように分類されることになります。
①現行の訪問介護に相当するサービス
→ 実施できるのは、指定訪問介護事業者
②緩和した基準 (訪問型サービスA)
→ 実施できるのは、指定訪問介護事業者もしくは委託
③ボランティア等(訪問型サービスB)
→ 助成・補助により、ボランティアなど
④保健師等による(訪問型サービスC)
→ 直接実施・委託
⑤移送前後の支援(訪問型サービスD)
→ 訪問型サービスBに準じる
現行の訪問介護に相当するサービス①と併せて訪問型サービスとして、A~D(②~⑤)
までのサービスに分類されることになります。また、サービスの内容を見ると、これまでの生活援助
によるサービスが訪問型サービスA・訪問型サービスBに細分化され、現行の訪問介護事業者
からボランティアまでサービスが提供できることになります。
では、訪問介護事業に影響が予測される以下のサービスをそれぞれ検証してみます。
①現行の訪問介護に相当するサービス
これまでの基準(人員・設備・運営基準等)通りであり、既にサービスを利用しているケース
で継続の必要なケースが対象となります。また、訪問介護員による身体介護、生活援助の
サービス提供となり、当然ながら、訪問介護員は、有資格者であり専門的なサービス提供が
要求されます。
②緩和した基準によるサービス(訪問型サービスA)
指定事業者である訪問介護事業者は、指定事業所側からの申し出がない限り、平成
27年4月1日に指定事業所とみなされます。よって、訪問介護事業者が訪問型サー
ビスAを提供することが可能となります。しかし、緩和したサービスということで市町村が基準を
定めることになり、法令に至っては、遵守すべき事項が、「従業員の清潔保持・健康管理」
「秘密保持」「事故発生時の対応」「廃止・休止の届出等」のみになります。
また、サービス提供者は、「一定の研修」さえ受ければ、ヘルパー資格な
しでサービス提供ができ、「訪問事業責任者(サービス提供責任者)」も無資格者でも
可能とされています。
③ボランティア等、住民主体による支援(訪問型サービスB) 住民主体の自主活動として行う生活援助等となります。サービス提供者は、ボランテ
ィアが主体となり、実施方法は、NPO等住民主体の支援実施者に対する補助(助成)
を市町村が出す方式です。基準に関しては、個人情報の保護等の最低限の基準となり、
わずかに「清潔保持」「秘密保持」「事故対応」などを運営基準に記載しているだけで
す。また、指定訪問介護の基準と異なり、サービス提供の内容でも緩和されており、
これまでの生活援助ではできなかった大掃除や家具の移動等も可能となります。(訪
問型サービスAではできません)
以上のように、これまででは考えられなかった状況になって参ります。
これまでの生活援助に関しては、確かに軽度な生活援助もあったかと思われますが、
今後は、それらをボランティアなど無資格の提供者において実施し、訪問介護事業者
により専門性を求めという前提がありますが・・・
前向きに考えると、より専門性が高められる訪問介護事業となり、他のサービスとの
差別化が図ることができ、社会的地位の向上につながるのではないでしょうか?
でも、訪問介護事業者間の差別化も同時に行われ、生き残り競争に拍車がかかる
事にもなってしまいますが・・・
しかし、この混乱する仕組みの中で、最も影響があるのは、利用者の方々ではないでしょうか?
次回は、利用者様や事業運営が一番知りたい、利用単価などをご説明いたします。
介護保険改正対策 訪問介護④
介護事業コンサルタント オフィス松本